PRINCE『LOVESEXY』(1988)
さて、新年一発目にふさわしいジャケットのアルバムを紹介したいと思います(笑)。
プリンスが1988年初夏に発表した、通算10枚目のスタジオアルバム『LOVESEXY』。1987年春に2枚組アルバム『SIGN O' THE TIMES』をリリースし、早くも同年末に『THE BLACK ALBUM』を発表しようとしますが、諸事情で発売中止に。そういったトラブルを経て日の目を見たのが本作でした。リードシングル「Alphabet St.」は全米8位とヒットを飛ばすも、続く「Glam Slam」「I Wish U Heaven」はチャートインせず。アルバムも全米11位と、前作までと比較すれば低調に終わりました。
内容がそこまで悪かったのかと言われると……いやいや、全然そんなことないんですよ。プリンスらしいファンキーさとポップさが両立した内容で、非常に聴きやすいし。むしろ、『PURPLE RAIN』(1984年)以降では一番ポップで親しみやすい内容なんじゃないでしょうか。前作『SIGN O' THE TIMES』が雑多な実験作だったこともあり、ここまで統一感の強い作品は久しぶりなような気がしますし。
1曲1曲をピックアップしても、オープニングの「Eye No」から「Alphabet St.」へと続くファンキーなポップチューンの連発はさすがだと思うし、サイケデリックな「Glam Slam」はなんでこれがヒットしなかったんだろうってくらい良曲だし。セクシーなミディアムナンバー「Anna Stesia」、文字通りダンサブルな「Dance On」、本作中もっとも地味な印象のタイトルトラック「Lovesexy」、『THE BLACK ALBUM』から唯一持ち越されたバラード「When 2 R In Love」、浮遊感漂うサイケポップ「I Wish U Heaven」、前曲から心地よく続く「Positivity」……改めて聴き返すと、どれも悪くないんですよね。いや、“悪くない”止まりなのがいけないのかな。確かに殿下にしては“飛び抜けて”良い曲が少ない気がするし。でも、そこまで悪いとも言い切れない。う〜ん。
で、何がいけなかったのか考えてみたんですが……もうおわかりですね。ジャケットが災いしたとしか思えない(笑)。そりゃあみんな敬遠しますわ。正直、当時高校生だった僕も本作の購入、躊躇しましたもん。しかも地元では買いにくくて、上京した際にタワレコで輸入盤を買ったのでした(しかも、当時は縦長の箱に入っての販売だったから、余計に恥ずかしかった……)。
あと、本作はCDやストリーミングで聴いている人ならおわかりのように、全9曲を1トラックとして収録という聴きにくさもあります。曲を飛ばすなよ、という殿下からの無言の圧を感じずにはいられませんが、こういうご時世だからこそ本作がストリーミングでも1トラック方式を採っているのは妙に納得してしまうといいますか。うん、黙って通して聴いてください。
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