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2018年1月 4日 (木)

REFUSED『THE SHAPE OF PUNK TO COME: A CHIMERICAL BOMBINATION IN 12 BURSTS』(1998)

1998年秋にリリースされた、REFUSEDの3rdアルバムにして(当時の)ラストアルバム。「来るべきパンクの形」、つまり「パンクの未来」という強烈なタイトルに負けないぐらい、その内容もインパクトの強いもので、リリースから20年経った今聴いてもまったく色褪せていない世紀の傑作だと思います。

いわゆるポストハードコアバンドとしてスタートしたREFUSEDですが、作品を重ねるごとに進化を続け、本作ではジャズやエレクトロの要素を随所に取り入れています。また、アルバムの曲間にはラジオ風のSEを挟むことにより、妙なリアリティを感じさせる。パンクやハードコアをある種アートの域にまで昇華させてしまったという意味においては、これを最後に解散を選んだといのも頷ける話です(もちろん、それも結果論でしかないですが)。

オープニングナンバー「Worms Of The Senses / Faculties Of The Skull」で見せる緊張感、そこから続く「Liberation Frequency」での緩急の効いたアレンジ。これがハードコアなのかと問われれば正直答えに困ってしまいますが、その後のこのジャンルの枝分かれを考えると、本作は大きな分岐点だったのかもしれません。

かと思えば、テンションの高い演奏を聴かせる「The Deadly Rhythm」、エモっぽい「Summerholidays Vs. Punkroutine」、エレクトロ+ジャジーなインスト「Bruitist Pome #5」から名曲「New Noise」へと続く流れ……本当、どれひとつ取っても同じものが存在しない。そこから再び血気盛んな「The Refused Party Program」「Protest Song '68」へと続くのですが、曲間にあるSEのおかげで冷静さだけは保っていられる。本当に不思議な感覚を味わせてくれます。

しかも、終盤を飾る8分超の大作「Tannhäuser / Derivè」ではバイオリンまでフィーチャー。ラストの「The Apollo Programme Was a Hoax」なんて完全なるアコースティックナンバーで、もはやハードコアでもなんでもないですからね。この流れでラストナンバーにたどり着くと、本当にすごいところにまで到達してしまったんだなと感慨深さすら感じます。

2018年の耳で聴くと、こういったミクスチャー感は特に新しいものでもないし、普通に楽しめてしまうわけで。改めてこの20年の流れを考えると、そこにも感慨深さを覚えます。

なお、本作は2010年にライブCD+ドキュメンタリーDVD付きの3枚組仕様で再発されていますので、購入の際にはぜひこちらをオススメします。ライブアルバムは解散前の1998年4月のライブ。とにかく生々しくて最高。すでに本作からの楽曲も多数披露されているので、まさに90年代のベスト選曲。そして、ドキュメンタリーは日本語字幕なしですが(英語字幕あり)、バンドが解散に至った経緯を知ることができます。これを観た時点では再結成なんて想像できなかったんですけどね……。世の中、何か起きても不思議じゃないんだなと。



▼REFUSED『TTHE SHAPE OF PUNK TO COME: A CHIMERICAL BOMBINATION IN 12 BURSTS』
(amazon:海外盤2CD+DVD / MP3

投稿: 2018 01 04 12:00 午前 [1998年の作品, Refused] | 固定リンク