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2018年2月25日 (日)

DEPECHE MODE『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』(1993)

1993年春にリリースされた、DEPECHE MODE通算8枚目のスタジオアルバム。前作『VIOLATOR』(1990年)が全英2位、全米7位を記録し、特にアメリカでは「Enjoy The Silence」(全米8位)や「Policy Of Truth」(全米15位)などのシングルヒットも手伝って、アルバムは300万枚を超える最大のヒット作となりました。

“大衆のための音楽”と題しながら非常にマニアックな世界観を提示した『MUSIC FOR THE MASSES』(1987年)から『VIOLATOR』への流れは非常に完璧なものだったと思いますし、そこからDEPECHE MODEがどこへ進んでいくのか、誰もが気にしていたと思います。そんな期待を背に、3年ぶりに完成させたアルバムはどこか宗教じみた世界観を持つ、非常にダークな作風でした。

オープニングを飾る「I Feel You」はタイミング的にも、オルタナティヴロックやグランジを彷彿とさせるダークなロックをエレクトロスタイルで表現したもので、リリース当時は「ここまでやるか!」と正直驚いたものです。特に、デイヴ・ガーン(Vo)が同曲のMVで見せたそのヴィジュアルの変化(ロングヘアーに無精髭)と合間って、よりそういった印象が強まったんじゃないでしょうか。

ところが、そういった印象の楽曲はこれ1曲のみ。以降はエレクトロサウンドと生音を適度にミックスした、彼ららしいサウンドが……いや、らしくない部分もあるけど……展開されています。が、先に触れたように本作は全体的にどこか宗教じみた空気が感じられる。それはゴスペルテイストの「Condemnation」、タイトルもまんまな「Judas」における『THE JOSHUA TREE』期のU2みたいな世界観、ストリングスを大々的にフィーチャーした「One Caress」などによる影響が大きいのかもしれません。

実際、歌詞にもそういった宗教観などが反映されており、そのへんも本作の重々しさを作り出す要因につながっているのでしょう。ただ、宗教的な雰囲気とはいうものの、それは敬虔さとは異なり、どちらかというと禁忌を侵すほうが近いのかなと。デイヴのロックスター然とした退廃的なヴィジュアルも、宗教的な意味で“禁忌を侵す”のと同時に、従来のDEPECHE MODEのイメージを壊すという意味で“禁忌を侵す”のかもしれない。そういう危うさをはらんだ、あのタイミングにしか生み出せなかった奇跡の1枚だと思います。従来のファンからは賛否両論あるようですが、個人的には大好きな作品のひとつです。

とはいえ、本作は初めて全英&全米1位を獲得。セールス的には前作には及ばなかったものの、それでもアメリカでは100万枚を超えるセールスを記録し、「I Feel You」(全英8位、全米37位)、「Walking In My Shoes」(全英14位、全米69位)、「Condemnation」(全英9位)、「In Your Room」(全英8位)とシングルヒットも多数生まれました。

本作で禁忌を侵したことがきっかけなのかはわかりませんが、バンドはアラン・ワイルダー(Key, Dr)の脱退、そしてデイヴの二度にわたる自殺未遂と存続の危機を迎えることになります。



▼DEPECHE MODE『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』
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