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2018年2月 2日 (金)

KISS『KISS』(1974)

アメリカ本国で1974年2月に発売された、KISSの記念すべきデビューアルバム。もともとKISSはポール・スタンレー(Vo, G)とジーン・シモンズ(Vo, G)が在籍したWICKED LESTERというバンドが前身としてあり、そこにエース・フレーリー(G, Vo)、ピーター・クリス(Dr, Vo)という“歌えるプレイヤー”を迎えたことで完成。『WITH THE BEATLES』をパロッたデビューアルバムのジャケットからもわかるように、“ハードロック版ビートルズ”をどこかで目指していたところがあったんでしょうね。

今でこそハードロックの権化だとかグランジの元祖だとかいろいろ言われていますが、このアルバムで展開されているのは若干ハードだけど軽やかなロックンロール。ジョン・レノンポール・マッカートニーのように、大半の楽曲でポール・スタンレーとジーン・シモンズがメインボーカルを務め、2人のツインボーカルがあったり4人のハーモニーがあったり、さらにピーター・クリスもいい味わいの歌声を聴かせてくれたりと、それ以前のハードロックバンドでは考えられないフレキシブルなボーカルスタイルを見せてくれます(初期の時点ではエースはまだ歌ってないわけですね)。

それにしても、こうやって曲目を眺めてみると「Strutter」「Firehouse」「Cold Gin」「Deuce」「Black Diamond」などなど、今でもライブで披露される機会の多い楽曲ばかり。つまり、KISSにとっては変わらぬ原点なわけですね、このアルバムは。もちろん、その都度その都度で軸になるアルバムというのは他にも生まれてはいますが、最終的にはここにたどり着く、そういう帰着点でもある。それはKISSというロックバンドにとってだけでなく、多くのロックバンドにとっても原点回帰的重要さを持つ1枚と言えるかもしれません。それくらい、「演奏がシンプルでカッコイイ」「メロディとハーモニーがキャッチー」「キャラの立つ歌声」など参考になるポイントが多いのですから。

ちなみに本作には「Love Theme From Kiss」というインストナンバーもあれば、それに続くハードブギー「1000,000 Years」もあり(後半のギターソロのカッコ良さといったら!)、そこから強弱がしっかりしたアレンジの「Black Diamond」(かつてYOSHIKIもクラシックアレンジでカバーしましたが、完全にX JAPAN「紅」などの雛形となった1曲ですよね)へと続く最高の流れが終盤に待ち構えています。軽やかな前半とは一線を画するヘヴィな後半は一聴の価値が大アリ。たった35分という短い時間の中にロックバンドのカッコ良さが凝縮された本作を聴かずして、KISSの魅力は語れません。

AEROSMITHがルーツロックからの影響を色濃く表したデビュー作だったのに対し、KISSはポップさをとことん追求しているあたり、両者のカラーの違いが1stアルバムの時点で浮き彫りになっているのも面白いところです。



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投稿: 2018 02 02 12:00 午前 [1974年の作品, KISS] | 固定リンク