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2018年2月13日 (火)

MANSUN『LITTLE KIX』(2000)

2000年8月にリリースされたMANSUNの3rdアルバム。全英チャート1位を獲得したデビューアルバム『ATTACK OF THE GREY LANTERN』(1997年)、全英6位の2ndアルバム『SIX』(1998年)と比べて、本作は最高12位と過去2作に及ばなかったものの、シングルは「I Can Only Disappoint U」が最高8位、「Electric Man」が最高23位、「Fool」が最高28位とそこそこの結果を残しています。

KING CRIMSON的で先行きがまったく読めない、破天荒な展開の楽曲群がずらりと並ぶ傑作『SIX』から一変、本作ではTHE POLICEやGENESISなどで知られる“80年代の顔”的プロデューサーのヒュー・パジャムを迎えて制作。そういった要素から想像できるポップな要素は確かに存在するものの、前作とは違ったテイストのプログレポップ/ロックアルバムに仕上がっています。

ポール・ドレイパー(Vo, G)がプロデュースに携わっていないという点も興味深い本作は、全体的に穏やかな空気の中、ジワリジワリと音が近づいてくるようなイメージ。1曲目「Butterfly (A New Beginning)」や3曲目「Comes As No Surprise」はまさにその好例で、どこか80年代以降のPINK FLOYDに通ずるものがあります(そういえば本作、デヴィッド・ギルモアのスタジオで制作されたんですよね。そこにも不思議なつながりを感じたりします)。

かと思えば、後期THE POLICEにも通ずる「I Can Only Disappoint U」があったり、いかにもシングル的なポップチューン「Electric Man」があったりしますが、特に聴き手をグイグイとアゲていくような楽曲は皆無。穏やかさと優しさ、そこと表裏一体の妖しさが一体となってゆっくり、ゆっくりと押し寄せてくる。気づいたら目の前にまで迫っているか、あるいはシンクロしている。そんな不思議なアルバムなんじゃないかと思います。

従来のファンからは過去2作との違いやラブソングが多いなどを理由にかなり否定的な声が多い本作ですが、そのラブソングも失恋ソングばかり。そういう点においては、やっぱりこのバンドらしく一本ネジが飛んでる印象も受けます。やっぱりMANSUNはどこまでいってもMANSUNなんだ、と。

リリースから18年経ちましたが、ポール・ドレイパーが初のソロ作『SPOOKY ACTION』(2017年)をリリースした今このアルバムを聴くと、どこか共通項が見え隠れする。実はそんな重要な1枚なんじゃないかという気がしますが、いかがでしょう?



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投稿: 2018 02 13 12:00 午前 [2000年の作品, Mansun] | 固定リンク