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2018年2月15日 (木)

SLAYER『SHOW NO MERCY』(1983)

本国アメリカで1983年12月にリリースされた、SLAYERの記念すべき1stアルバム。スラッシュメタルという観点でいうと、METALLICA『KILL 'EM ALL』(1983年7月発売)から5ヶ月遅れて、ANTHRAXの『FISTFUL OF METAL』(1984年1月発売)に1ヶ月先駆けて発表されており、USスラッシュ勢の中でもかなり初期の作品に入ると思います。

現在のスピード感と比較すれば、速いは速いけど、まだまだヘヴィメタルの範疇における速さかなという印象。それ以上に、どこから影響を受けたがわかりやすい構造を持つ楽曲群が次作『HELL AWAITS』(1985年)以降とも異なり、非常に微笑ましく感じられます。そういったところは、METALLICAの『KILL 'EM ALL』にも通ずるものがありますね。

METALLICA同様に、IRON MAIDENみたいに複雑な展開を持つ楽曲からの影響が強いながらも、METALLICAほどパンクの色は感じられない。むしろVENOMあたりのスピード感と、そのVENOMやMERCYFUL FATEの影響下にある悪魔主義的側面が歌詞やおどろおどろしいサウンドに表出しているところは、METALLICAやANTHRAXといったMOTÖRHEAD色の強いバンドと異なる点ではないでしょうか(ジャケットのイラストしかり)。

ただ、トム・アラヤ(Vo, B)の吐き捨てるような、それでいて時にヒステリックなハイトーンも飛びたすボーカルスタイルは、同時代を生きたジェイムズ・ヘットフィールドと共通するものが感じられ、非常に面白いと思うんです。これがNWOBHM以降なのか、はたまた別の(それこそハードコアあたりからの)影響なのか。

「Metal Storm / Face The Slayer」といった組曲(アルバム最長の約5分)があるものの、基本的には3分前後のストレートな楽曲が中心。アルバム冒頭を飾る2曲「Evil Has No Boundaries」「The Antichrist」なんて、80年代後半以降のSLAYERと比較したら完全に別モノに聴こえてきますからね。『HELL AWAITS』までの間に一体どんな変化を迎えたのか、気になるところです。

が、その答えは意外と簡単でして。本作から半年後の1984年6月発売のEP『HAUNTING THE CHAPEL』が果たした役割が非常に大きかったわけです。同作に収録された「Chemical Warfare」が、SLAYERが進む道を決定付けたと言っても過言ではないでしょう。そこについては、また別の機会に。



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投稿: 2018 02 15 12:00 午前 [1983年の作品, Slayer] | 固定リンク