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2018年3月12日 (月)

JUDAS PRIEST『DEFENDERS OF THE FAITH』(1984 / 2015)

前作『SCREAMING FOR VENGEANCE』(1982年)から1年半ぶり、JUDAS PRIESTにとって通算9枚目のスタジオアルバム。プロデューサーには前作同様トム・アロムを、エンジニアにはのちにANTHRAXSUICIDAL TENDENCIESなどで名を馳せるマーク・ドッドソンを迎え制作されました。チャートアクション的にも全米18位、全英19位と前作に匹敵する成績を残し、「Freewheel Burning」「Some Heads Are Gonna Roll」がそれぞれ全英42位、全英97位とシングルヒットを記録しています。

前作『SCREAMING FOR VENGEANCE』が名盤『BRITISH STEEL』(1980年)での路線を進化させ、質感的にカラッとしたアメリカンなサウンドだったのに対し、今作『DEFENDERS OF THE FAITH』はもっとウェット感が強く、ファットな音作りが施されています。そこが、このアルバムから漂う“よりブリティッシュ”な香りの大きな要因になっているのではないでしょうか。

楽曲自体も前作の延長線上にある、正統派HR/HMが満載。前作では「The Hellion」〜「Electric Eye」というドラマチックなオープニングが印象的でしたが、今作では疾走感が強烈な「Freewheel Burning」からスタート。どこかアメリカンな香りが感じられるこの曲も、『SCREAMING FOR VENGEANCE』での成功がなければ生まれなかった1曲かもしれません。特に中盤のギターソロで聴ける、ツインリードをフィーチャーした構成は“これぞJUDAS PRIEST!”と呼べるものかもしれませんね。

その後もスピード感に満ち溢れるマイナーコードの「Jawbreaker」、彼ららしいミドルテンポの「Rock Hard Ride Free」と聴き手の高揚感を煽り、当初はアルバムのオープニングを飾る予定だったと言われるドラマチックな「The Sentinel」へと続いていきます。

アナログB面冒頭にあたる5曲目「Love Bites」はデジタルっぽさが加わった気持ち良いテンポ感の1曲。このへんは続く『TURBO』(1986年)への布石を感じさせますね。そしてサイドアッパーな「Eat Me Alive」、ボブ・ハリガン・Jr.のペンによる「Some Heads Are Gonna Roll」、JUDAS PRIEST流メタルバラード「Night Comes Down」、アルバムのクライマックスとなるヘヴィな組曲「Heavy Duty」「Defenders Of The Faith」で締めくくります。

『SCREAMING FOR VENGEANCE』の延長線上にある続編かと思いきや、前作とも違う作品を作り上げたJUDAS PRIEST。NWOBHMからUSメタルの勃発期を経て従来のHR/HMバンドが真価を問われる中、彼らは自分たちが守るべき信念をここでしっかり形として残したかったのかもしれませんね。それがこのアルバムタイトルにもしっかり刻まれているわけですから。『SCREAMING FOR VENGEANCE』と『DEFENDERS OF THE FAITH』、どっちのほうが好きか?という難問にはいまだに答えにくいものがありますし、日によってこっちのほうが好きみたいなのはありますが、個人的には『SCREAMING FOR VENGEANCE』は気構えることなく楽しめる1枚、『DEFENDERS OF THE FAITH』は聴くためにしっかり向き合う姿勢を整えようとする1枚かもしれません。それくらい、本作は以降のJUDAS PRIESTにとって本流的な作品と言えるのではないでしょうか。



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なお、本作はオリジナル版リリースから30年以上経過した2015年春、同作リリース時期のライブ音源(CD2枚組)を同梱した30周年記念盤も発売されています。

「Love Bites」から重々しくスタートするこのツアー音源は、『DEFENDERS OF THE FAITH』という力作の楽曲を軸に、「Grinder」「Metal Gods」「Sinner」といった代表曲に加え、「Desert Plains」なんてこの時期じゃないと聴けない今となってはレアな楽曲も含まれています。

実はここ日本では、『DEFENDERS OF THE FAITH』を携えた来日公演(1984年9月)で初の日本武道館公演が実現しています。アルバムジャケットに登場する機械獣メタリアン(Metallian)を配置したステージセットは、映像で観ると圧巻の一言。

当時のライブ音源がフルでCD化されたのはもちろん嬉しいですが、できたらライブDVDを付けてもらえたら……なんて思ったのは、僕だけではなかったはず。まだしっかり髪が残っているロブ・ハルフォードの姿も、今となっては懐かしさ以上に微笑ましさすらあるので(笑)、ぜひこの時代のライブ映像も完全版として残してほしいものです。



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投稿: 2018 03 12 12:00 午前 [1984年の作品, 2015年の作品, Judas Priest] | 固定リンク