PANTERA『OFFICIAL LIVE: 101 PROOF』(1997)
1997年夏に発表されたPANTERA初のライブアルバム。今でこそ旧譜のデラックス盤に過去のライブ音源がまとまって収録されていますが、バンド在籍中にPANTERAが発表したオフィシャルなライブアルバムは本作のみ。それが本タイトルに集約されていると思います。
収録された音源は、タイミング的に前年1996年春に8thアルバム(メジャーからの4作目)『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』を発表し、そのツアーを1997年にかけて行なっていた時期のもの。が、このツアーがまた厄介なものでして。というのも、1996年7月にフィル・アンセルモ(Vo)がヘロインの過剰服用により一時的に心肺停止という事件がありまして。こういったトラブルのせいで、フィルと他メンバーとの関係性は非常に難儀なものへ。非常に危うい時期だったことは間違いありません。
が、だからといってライブもひどいかというとまったくそんなことはなく、むしろ『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』という凶暴なアルバムを発表したあとのライブらしい、非常にアグレッシヴなパフォーマンス&プレイを楽しむことができます。
選曲的にも『COWBOYS FROM HELL』(1990年)以降のメジャー4作品からのベストセレクトで、「Mouth For War」や「The Great Southern Trendkill」といった人気曲こそ選外なものの、それ以外は非常に文句なしの選曲だと思います。また、ここで聴けるプレイもベストと呼ぶにふさわしい最高の状態のものばかり。ドラムのリバーブ感に違和感を覚える人もいるかもしれませんが、それ以外(特にギターサウンド)に関してはスタジオ作にも匹敵するクオリティではないでしょうか。このバンドらしい完璧主義ぶりも感じられ、と同時にライブならではの自由度の高いプレイも楽しめる。ダイムバッグ・ダレルのプレイはこれでもかといわんばかりにワイルドだし、それに負けないくらいフィルのボーカルもハードコアを超えたハードコアさ(なんじゃそりゃ)がにじみ出ている。これを最高と呼ばずになんと呼ぶよ?
ライブ音源14曲のあとには、本作用に録音された新曲2曲「Where You Come From」「I Can't Hide」を収録。前者はいかにもPANTERAらしいグルーヴィーなミドルチューンで、後者はひたすら突っ走る2分少々のショートチューン。どこか正統派ヘヴィメタル的な香りも感じられ、初期のPANTERAを思い浮かべるリスナーもいるかもしれませんね。個人的には前者はイマイチですが、後者はお気に入りだったりします。まあ、あくまでメインはライブ音源でこの2曲はオマケ程度に考えるのが正しいと思います。
もはや目にすることができないPANTERAのライブ。映像で楽しむのはもちろんですが、こうやって音源を聴いてイマジネーションを広げたりするのも楽しいのではないでしょうか。

▼PANTERA『OFFICIAL LIVE: 101 PROOF』
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