BON JOVI『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE (2018 VERSION)』(2018)
3月10日付けの米・Billboardアルバムチャート「BILLBOARD 200」にて、2016年11月発売のBON JOVIのアルバム『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE』が1年3ヶ月ぶりに1位を獲得したことをご存知でしょうか。発売から数週でトップ200圏外へと落ちたアルバムが、1年以上経ってからいきなり1位まで上昇するって、通常では考えられないことなんですが、一体何が起きたんでしょう?
実はこれ、簡単なカラクリで。3月14日から始まる全米アリーナツアーのチケットにアルバムCDを付けたらしく(これ自体は付ける/付けないの選択が可能)、35万枚以上ものチケットに対して12万枚分のCDが新たに売れたと(詳細はこちら)。そりゃあいきなり1位になりますよね。最近ではMETALLICAあたりもこの手法を使っており、彼らも2016年発売のアルバム『HARDWIRED... TO SELF-DESTRUCT』を昨年1年間で50万枚近く売り上げています。日本でもかなり前にEXILEが同様の手法を取りましたが、今はこの形態ではチャートに計上されないんでしたっけ。なんにせよ、アルバムをまだ買ってない、ストリーミングでしか聴いてないけどライブには行きたいって人にはフィジカルに触れてもらう、よいきっかけになるかもしれませんね(押し売りにさえならなければね)。
で、話をBON JOVIに戻しますと、彼らは2月末に『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE』に新曲2曲を追加したリイシューバージョンをデジタルアルバム&ストリーミングのみで発表しています。これにより以前のバージョンから既存曲が外されるということもなく、単に頭に新曲2曲を追加し、3曲目からは既存のアルバムどおりのトラックリストのまま。アルバム頭の印象が大きく変わる程度かと思いきや、意外とアルバム序盤の雰囲気がガラッと変わるんじゃないかと思うのです。
アルバムオープニング曲となった新曲「When We Were Us」は、メジャーキーのアップチューン。軽快なリズムとディレイを効かせたギターリフ、ダイナミックなアレンジがいかにもBON JOVIといった印象で、マイナーキーのハードロック「This House Is Not For Sale」から始まる以前のバージョンとは冒頭の印象がガラッと変わりました。ゼロ年代中盤以降のアメリカンパワーポップ的作風が戻ってきた感もあり、僕はこのオープニング(およびこの曲)大好きですよ。
続く2曲目「Walls」はここ最近のBON JOVIらしいマイナーキーの枯れたロックナンバー。が、この曲にも軽快さが備わっており、サビに入ると拍が半分になりビッグなビートが刻まれる、この感じが現代的でなかなかのアレンジだと思います。ただ、先の「When We Were Us」同様に、日本人にはシンガロングが難しい楽曲かなと。そういったポピュラー感は過去のヒットナンバーと比較すると弱い気がします。そこだけが勿体ない。
で、3曲にようやく「This House Is Not For Sale」。ダークさが漂うこの曲から始まる以前のバージョンは、全体的にひんやりした印象が強かったですが、頭2曲の軽快さが加わったことで、少しだけ入っていきやすくなったんじゃないでしょうか。以前の重厚さがある雰囲気も悪くないけど、やっぱりBON JOVIというバンドにはこれくらいのポップ感が常にないとね。
ということで、通常盤は2曲追加の14曲入り、デラックス盤は19曲入りとかなりの曲数になってしまいますが(そもそもライブではそんなに新曲やらないのにね)、これからこのアルバムに触れる場合は14曲の通常盤で問題ないと思います。
にしても、全然来日しませんね、BON JOVI。アルバム発売から1年3ヶ月以上経っても情報がないなんて、よほど日本に対して興味がなくなったのか、動員が見込めないと思っているのか……ワールドツアーの最後に1、2回東京ドームでやって終わり、みたいになりそうな気がします。まあ、それでも来てくれるだけいいんですけど、ちょっと機を逃しすぎてないかい。本当に動員悪くなりそうで怖いです……。
▼BON JOVI『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE (2018 VERSION)』
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