SKINDRED『VOLUME』(2015)
SKINDREDが2015年10月(UK/日本は11月)にリリースした通算6作目のオリジナルアルバム。日本ではデビュー作(通算2作目)の『ROOTS ROCK RIOT』(2008年)以降、毎回リリース元が異なっていましたが、この『VOLUME』が好評だったこともあってか、間もなく日本先行リリースされる新作『BIG TINGS』は引き続きビクターから日本盤が発表されるとのこと。こうやって安定してくれたら、日本にも呼びやすいんじゃないでしょうか。特に『VOLUME』を携えた来日公演は2度も実現しただけに、ぜひ今後も定期的に日本でライブをしてもらいたいものです。
さて。そんなSKINDREDのことを昨年秋の『LOUD PARK 17』でちゃんと知った、ちゃんと聴いたというメタルファンも少なくないのではないでしょうか。特に年季の入ったメタラーにとっては、ラガメタルと呼ばれるミクスチャーロックサウンドは敬遠されがちですからね。
このSKINDREDって2000年代半ば以降に日本で盛り上がり始めたラウドロックシーンとの親和性が非常に高く、それによってCrossfaithやSiMのようなバンドのと交流も深まっていった。そういった事実が、頭の固いリスナーからは敬遠される要因にもなったかもしれません。
しかし、この『VOLUME』ってアルバム、ゼロ年代以降のモダンヘヴィネスを通過したヘヴィメタル、もっといえば90年代後半のSEPUTLURAやKORN以降のグルーヴィーなヘヴィロックバンドを愛好する人なら絶対に気にいる要素満載なんです。
実際にこのアルバムを聴くと、そこまでレゲエレゲエした楽曲はほんの数曲で、むしろヘヴィでノリの良い楽曲の上にレゲエをイメージさせる心地よい歌メロが乗っているものが大半。基本的にはその程度のノリなんですよ。ギターも適度にザクザクしていてヘヴィだし、ベースのゴリゴリ感やドラムの1音の重み、低音を強調したサウンドメイクは完全にゼロ年代以降のモダンなヘヴィメタルそのもの。そりゃあオールドスタイルの王道メタルだけが好きって人には厳しいかもしれませんが、現代的なサウンドに寛容なリスナーなら少なからず引っかかる要素は存在しているはずなんです。
本作はDJやエレクトロ系のサウンドメイクを担当するダン・スタージスが加入し、正式に5人編成となって初めて制作した1枚。が、ダンはこのアルバムを携えたツアー中にバンドを脱退。先の『LOUD PARK 17』はもとから在籍する4人で実施されました。
そういったサウンドエフェクトはインタールード含め、味付けとしては非常に面白いものがありますが、昨年のライブを観た人ならおわかりのとおり、特にそういった要素を排除してもバンドとしての魅力に何ら変化はない。そういったバンドの基礎体力が、間もなくリリースされる新作には反映されていることでしょう。
とにかく。ラガメタルだとかミクスチャーだとか、そういった小難しい枠は無視して、爆音で楽しみたいヘヴィロック/メタルアルバムの1枚。新作発表を前に、ぜひ復習してみてはいかがでしょう。
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