SUPERCHUNK『WHAT A TIME TO BE ALIVE』(2018)
アメリカの4人組オルタナロックバンドSUPERCHUNKの4年半ぶり、通算11枚目のオリジナルアルバム。彼らのアルバムは毎回すべてチェックしているわけではなく、何枚か聴いて気に入っているといった程度のリスナーですが、本作はとにかく素晴らしいと素直に思える1枚。
前作『I HATE MUSIC』(2014年)も聴いていましたし、あれも素晴らしい1枚だと思っているのですが、今作は予想していた以上といいますか。いや、正直言えばそんな良し悪しを気にせずに接した1枚でした。ふいに手にした1枚が、極上の1枚だった。だからこそ、驚きも大きかったわけです。
メンバーは本作発表に際して、「自分達が住み、そして自分達の子供が成長しようとしている周辺の状況を完全に無視したレコードをつくることは、バンドをやっている者、少なくとも今の自分たちのバンドにとっては奇妙なことなんだ」というコメントを発表しています。つまり、今作では現在のドナルド・トランプ政権に対する絶望と怒りが表現されていると。それがこのアグレッシヴなサウンドにも反映されているんでしょうね。
とにかくラウドで前のめりで力強い。「Lost My Brain」「Break The Glass」「Bad Choices」「Cloud Of Hate」など、どこかネガティヴさが感じられるタイトルがずらりと並びますが、実際にアルバムを聴くと悲惨さや絶望は感じられず、むしろ状況を変えようと前進していくことを選んだバンドの強い意志すら感じられます。メンバーの言葉じゃないですが、まさに「これは悲惨で落ち込んでいる状況についてのレコードだけど、聴いていても悲惨で憂鬱に感じるようなレコードではない」と。ホント、救いのあるアルバムだと思います。
全11曲(日本盤ボーナストラックを除く)で32分というトータルランニングも素晴らしく、その熱量と勢いと相まって、あっという間に聴き終えてしまう。気づけばまた最初からリピートしているし、何度聴いても飽きが来ない。それは楽曲の持つパワーはもちろんのこと、優れたメロディとバンドアンサンブルによるものも大きいのかなと。ただパンキッシュで速い曲だけではないし、ラストにはじっくり聴かせるミディアムナンバー「Black Thread」も控えている。この余韻を残す終わり方が、また聴きたいという思いにつながるのかもしれませんね。
オルタナロックファンやパワーポップリスナーにはもちろんのこと、初期のFOO FIGHTERSあたりがお気に入りのハードロックファンにも絶対にひっかかりの多い、スルメ的な1枚だと思います。

▼SUPERCHUNK『WHAT A TIME TO BE ALIVE』
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