JACK WHITE『BOARDING HOUSE REACH』(2018)
2018年3月発売の、ジャック・ホワイト通算3作目のソロアルバム。前作『LAZARETTO』(2014年)から約4年ぶりの新作となりますが、その間には2枚組アコースティック&レアトラックアルバム『ACOUSTIC RECORDINGS 1998-2016』(2016年)が挟まれているので、実質2年ぶりくらいの感覚なんでしょうか。
とはいえ、純粋な新曲ばかりのアルバムは4年ぶりなので、ファンならずとも“待望の”という表現がぴったりな1枚かと思います。
THE WHITE STRIPES時代から一貫して、ジャック・ホワイトが作り出すサウンドにはブラックミュージックからの影響は間違いなく含まれていましたが、今作は彼の作品中でもっとも“黒っぽい”仕上がり。それもそのはず、本作にはドラムやベース、オルガンなどでゲスト参加しているメンツがビヨンセやQ-TIP、ジョン・レジェンド、マライア・キャリー、カニエ・ウエスト、リル・ウェイン、ジェイ・Z、FISHBONE、SOULIVEなどなど、ソウルやファンク、R&B、ヒップホップ系アーティストをサポートするミュージシャンばかりなのです。こういった外的要素が、彼の生み出す楽曲をより“黒っぽく”仕上げたことは想像に難しくないはずです。
また、アルバムを聴いていて非常に興味深かったのは、これまでの彼の作品はそういった要素(=ルーツ)をテイストとしてロックンロールを展開してきたのに対し、今回に限ってはロックが“テイスト側”で、表現しようとしているものがジャック・ホワイトなりのブラックミュージックなのではないか……そう思わずにはいられないぐらい、芯からドス黒さに満ち溢れていのです。
さらに本作でのジャックは、スライ・ストーンやプリンスといった鬼才たちの姿とイメージが重なる瞬間が多々ある。彼が今回のアルバムで目指したのは、そういった先人たちの偉業を引き継いで未来につなぐことだったのではないでしょうか……なんていうのは、ちょっと大げさかしら?
でも、時代性や昨今の音楽シーンの状況を考えると、この『BOARDING HOUSE REACH』というアルバムでの試みはあながち間違ってないのかもしれませんね。ぜひこのアルバムをライブで演奏する際には、SLY & THE FAMILY STONEやPRINCE & THE REVOLUTIONみたいなスタイルで表現してもらいたい。そう思わずにはいられないくらい、このアルバムの中には過去と未来をつなぐ大切なものが詰まっている。そんな、とんでもない異形のアルバムだと断言させてください。
いやはや、すげえアルバムですわ。

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