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2018年4月15日 (日)

DIZZY MIZZ LIZZY『DIZZY MIZZ LIZZY』(1994)

ティム・クリステンセン(Vo, G)率いる、デンマーク出身のトリオバンドDIZZY MIZZ LIZZYによるデビューアルバム。本国では1994年3月に、ここ日本では1995年1月に発表された本作は、特にここ日本では収録曲「Glory」が高く評価されたこともあり、10万枚を超えるヒット作となりました。

ハードロックからの影響を感じさせつつも、グランジ以降のオルタナロック色が強いバンドアンサンブル、北欧のバンドらしく哀愁味漂うメロディが混在する独特のスタイルは、同時期に活躍したアメリカやイギリスのバンドにはないもの。なおかつ、ハードロックファンをも魅了するこのスタイルは、グランジは受け付けなかった日本のロックファンからもそれなりに評価されたようでした。

確かに「Glory」1曲を聴いただけでは、HR/HMファンが喜びそうなメロディ、フレーズが目白押しかと思います。実際、90年代を代表する名曲のひとつではることには間違いありませんが、このバンドの本質って実はこの曲よりも「Waterline」や「Barbedwired Baby's Dream」「67 Seas In Your Eyes」あたりから感じられる独特なバンドアンサンブルだと思うのです。

そういえば、同じトリオ編成ということで、当時RUSHあたりと比較する声があったのも、今となっては懐かしいですね。もちろん、音楽性はまったく異なりますけど、言わんとしてることは理解できます。ポール・マッカートニーみたいな名ソングライターと、LED ZEPPELINやRUSHみたいに独自のグルーヴ感を生み出すバンドが合体したような存在なわけですからね。

アルバムのオープニングを飾る「Waterline」のシンコペーションを効かせたバンドプレイやパートによってテンポ感が変化するアレンジ、「67 Seas In Your Eyes」あたりで自然に飛び込んでくる変拍子、「Silverflame」のサビでみせる独特なメロディの刻み方、などなど。ソングライティング力の高さはもちろんのこと、バンドとしての演奏力の高さやアレンジ力に優れている点など特筆すべきポイントがたくさんありまして。要するに、「Glory」1曲だけでは語りきれない魅力があるからこそ、このバンドは現在に至るまで長きにわたり愛され続けているわけです。

ソングライティングに関しては、特にティム・クリステンセンという稀代のソングライターによるところも大きく、90年代末にこのバンドが解散して以降もソロアーティストとして日本でも高評価を獲得し続けている事実からも、その実力が伺えるのではないでしょうか。

とにかく、捨て曲なしの約55分(日本盤ボーナストラック除く)、頭からラストまでぶっ続けて聴いてその魅力をたっぷり堪能してほしいと思います。



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投稿: 2018 04 15 12:00 午前 [1994年の作品, Dizzy Mizz Lizzy] | 固定リンク