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2018年4月 3日 (火)

EUROPE『LAST LOOK AT EDEN』(2009)

2009年9月にリリースされた、EUROPE通算8作目のオリジナルアルバム。『START FROM THE DARK』(2004年)から数えると、再結成後3枚目のスタジオ作品になります。『START FROM THE DARK』でEUROPEの新しい形を提示しつつ、続く『SECRET SOCIETY』(2006年)ではより進化したモダンなスタイルを確立しようとしましたが、この『LAST LOOK AT EDEN』では『START FROM THE DARK』で試したスタイルをよりクラシカルなサウンド(70年代ハードロック的アプローチ)で表現。以降、最新作『WALK THE EARTH』(2017年)まで続くスタイルの礎となった、起死回生の1枚と言えるのではないでしょうか。

『START FROM THE DARK』で旧知のプロデューサー、ケヴィン・エルソンを迎え、続く『SECRET SOCIETY』ではセルフプロデュースに挑戦したEUROPEは、続く今作でH.E.A.TやAVATARなどを手がけるトビアス・リンデルを迎えて制作。リリース当時、最初にリードトラック「Last Look At Eden」を耳にしたときは、「ようやく吹っ切れたな」と思ったことを今でも覚えています。

確かに、多くのリスナーが彼らに求めるスタイルとは真逆かもしれません。そりゃあみんな『WINGS OF TOMORROW』(1984年)や『THE FINAL COUNTDOWN』(1986年)の頃のスタイルに戻ってほしいと思っていることでしょう。けど、それがやりたかったら、この再結成はなかったんでしょうね。5人がEUROPEという冠の下で今やりたいこと、やれることが「自分たちのルーツに正直になること」だったんだと考えると、この『LAST LOOK AT EDEN』に到達することは非常に納得のいく話だと思います。

特に本作ではストリングスによるオーケストレーションを大々的にフィーチャーした楽曲が多く、その味付けが70年代的仰々しいハードロックサウンドに見事フィットしている。ミドルテンポのヘヴィチューン「Last Look At Eden」や「No Stone Unturned」や「Only Young Twice」、そしてバラードの「New Love In Town」はその最良の結果ではないかと思います。

もちろんそれだけではなく、「The Beast」みたいなアップチューンもあるし、80年代後半の彼らをどこか感じさせる「Gonna Get Ready」もある。「Run With The Angels」みたいにダークな異色作も含まれていますが、このへんは評価がわかれる1曲かもしれませんね。そして、ラストはジョン・ノーラム(G)のメロウでエモーショナルなギタープレイが存分に活かされたバラード「In My Time」で締めくくり。個人的には全体を通して非常に満足の1枚で、再結成後でも1、2を争う良盤だと思っています。

なお、本作は再結成後唯一、本国スウェーデンでチャート1位を獲得。『THE FINAL COUNTDOWN』、『OUT OF THIS WORLD』(1988年)に続く通算3枚目のNo.1アルバムという意味でも、彼らのキャリアにおける重要作品と言えるのではないでしょうか。

もちろん、本作以降すべての作品が良い作品だとは言いません。しかし、再結成から3作目でここにたどり着けたからこそ、EUROPEは80年代に活動していた頃よりも長くバンドを続けられている。それは間違いない事実であり、僕はこの現実を素直に受け入れたいと思います。



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投稿: 2018 04 03 12:00 午前 [2009年の作品, Europe] | 固定リンク