BLUR『MODERN LIFE IS RUBBISH』(1993)
このアルバムも今年で25周年。1993年5月にリリースされた、BLUR通算2作目のスタジオアルバム。マンチェスタームーブメントの恩恵を受け、デビューアルバム『LEISURE』(1991年)が全英7位、同作からのシングル「There's No Other Way」が全英8位と新人ながらも好成績を残したものの、この2ndアルバムでは大胆な方向転換に取り掛かり、“Very British”な作品を完成させます。
まだブリットポップ前夜の1枚ではあるのですが、このアルバムがブリットポップを象徴する1枚だという声も多く、そういう意味では本作が発表されたところでブリットポップムーブメントは始まっていたと言えるでしょう。
事実、ここに含まれている楽曲群は“いかにも小難しいイギリス人が書きそうな、ポップでキャッチーなのにどこかひねくれている”ものばかり。だけど、ところどころに引っ掛かりがあるせいか何度も聴きたくなる中毒性が高い。自分がBLURの作品中このアルバムがもっとも好きなのは、そういったところに理由があるのかもしれません。
名曲中の名曲「For Tomorrow」からスタートし、そこから軽やかなピアノが心地よいアップチューン「Advert」、ヘヴィさが際立つ「Pressure Of Julian」、BLURらしいポップさが際立つ「Star Shaped」と、序盤からクセの強い曲がズラリ。デーモン・アルバーン(Vo)の淡々としたボーカルと耳に残るグレアム・コクソン(G, Vo)のコーラス、そのグレアムによる鋭いギタープレイは全編にわたり聴き応えがあります。
中盤以降も「Chemical World」を筆頭に、途中インタールードを挟みつつ独自のテンポ感で進行。「Oily Water」みたいなサイケ色強めのミディアムチューンもあれば、イントロのギターフレーズが印象的な「Villa Rosie」、シンプルなギターリフがただひたすらカッコいい「Coping」、ダウナーさが際立つ「Resigned」と、1曲1曲の個性/クセが強い楽曲ばかり。当初はXTCのアンディ・パートリッジをプロデューサーに迎えて制作していたというのも、なるほど頷ける内容です(のちに方向性の違いで解任)。
聴く者を選ばずわかりやすさをとことん追求したOASISとは相反し、英国民の心に訴えかけるマニアックなサウンドを追求したBLUR。この両巨頭が1年後にここ日本を巻き込む一大ムーブメントを作り上げるなんて、このアルバムを初めて聴いた頃は想像もできなかったはず。それくらい、最初は地味な印象しかなかったので……だって、前作とこのアルバムの間に発表されたシングル「Popscene」みたいなアップテンポなロックナンバー皆無で、ミディアム中心にジリジリ攻める内容は派手なロック好きな自分には少々ストイックすぎて……。でも、気づけばこのアルバムがクセになって手放せなくなっていた。そんなスルメ的な名作です。
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