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2018年4月26日 (木)

SUEDE『SUEDE』(1993)

本国イギリスで1993年3月末、日本では同年4月頭にリリースされたSUEDEのデビューアルバム。前年に発表されたシングル「The Drowners」(全英49位)、「Metal Mickey」(同17位)のスマッシュヒットや、バイセクシャルをイメージさせるブレット・アンダーソン(Vo)の発言などもあり、バンドは急速に注目度を高め、アルバム直前のシングル「Animal Nitrate」はついに全英7位まで上昇。続くアルバムも当然のように全英1位に輝き、いきなり大ヒット作となったのでした。また、同作からは続いて「So Young」もシングルカットされ、全英22位にランクインしています。

ブリットポップ勃発直前に、こういった時代錯誤なグラムロック的バンドがシーンに登場するというのがいかにもイギリスらしく、当時ロックシーンのど真ん中にいたNIRVANAPEARL JAMのようなアメリカ産ロックバンドとは違った異端ぶりを発揮。そりゃあ食いつきますよね、僕。大好物ですもの、こういうバンド。

70年代のデヴィッド・ボウイやROXY MUSIC、80年代のU2(初期3部作に限定)やTHE SMITHSという我々がイメージするUKロック(厳密にはU2はUKじゃないけど)の延長線上にあり、のちに爆発的人気を博すBLURやOASISとは異なる“お家芸”を90年代初頭というマンチェスタームーブメント末期にドロップする心意気。時にヘヴィに、時に耽美にと変化するねちっこいバンドサウンドと同性愛や近親姦、獣姦などスキャンダラスなテーマを扱う歌詞。なのにキャッチーでわかりやすいメロディと、至るところに散りばめられている毒。ブレットの中性的な歌声と、バーナード・バトラー(G)の“裏メロ”と呼びたくなるくらいに歌いまくるギタープレイなど、特徴的なポイントを多数持ち合わせており、時代の変わり目に突如咲いた徒花のわりにアホほど売れた……いや、単なる徒花ではなかったことは、次作以降で証明されていくわけですが。

シングル曲の出来はもちろんのこと、それ以外の楽曲も本当に素晴らしい。「She's Not Dead」や「Pantomime Horse」、「Sleeping Pills」「The Next Life」など本当に捨て曲なし。シングル曲はミドルテンポのロックチューンばかりですが、アルバムでたっぷり聴ける繊細なバラードナンバーもこのバンドの大きな魅力と言えます。次作以降、そういった面をシングルでも切っていくことで、そういった要素はさらに広く伝わっていくことになるのですが、まあスキャンダラスさを打ち出すという意味においてはデビュー作からのシングルの切り方としては間違ってなかったのかもしれませんね。

とにかく名盤。文句なしの名盤。もちろん、2ndアルバム『DOG MAN STAR』(1994年)も3rdアルバム『COMING UP』(1996年)も名盤ですけど、この輝きや存在感はデビュー作ならではのもので、別格ではないでしょうか。

リリースから今年で25年。先日、レアトラックを多数収録した4CD+DVDのボックスセットも発売されたばかりですが、こちらとしてはもっと気軽に90年代の作品が聴ける環境を作ってほしいなと思っているのですが。意外ですよね、ベスト盤以外の再結成前の諸作品が配信されていないのって。



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投稿: 2018 04 26 12:00 午前 [1993年の作品, Suede] | 固定リンク