DANGER DANGER『DAWN』(1995)
DANGER DANGERが1995年初夏に発表した、通算3作目のスタジオアルバム。ここ日本では1年近く遅れた1996年5月に、ようやくリリースされています。
本作の参加メンバーはブルーノ・ラヴェル(B, G)、スティーヴ・ウェスト(Dr)、そして新加入のポール・レイン(Vo)の3人。過去2作でフロントマンを務めたテッド・ポーリー(Vo)は1993年に解雇され、これに前後するようにアンディ・ティモンズ(G)とケイシー・スミス(Key)もバンドを脱退しています。
実はテッドを含む編成で『COCKROACH』と題したアルバムを制作していたものの、完成間際でクビに。新たにポールを迎えて録音し直していたところ、テッドから裁判を起こされたため、この『COCKROACH』はお蔵入りとなってしまいます(2001年にようやく、テッド版とポール版の2枚組で日の目を見ることになります)。
なので、この『DAWN』というアルバムは実質4作目になるわけですが、『COCKROACH』の中で試そうとしたモダンな作風……グランジ以降、モダン・ヘヴィネス未満な路線にフィーチャーし、大々的に展開されています。
DANGER DANGERと言われると、あのパーティロック路線が頭に思い浮かぶわけですが、本作ではそれとは真逆の、あの時代ならではのダークなスタイルが確立されているわけです。そりゃあファンから反感を買いますよね。
ところが、このアルバム。意外と良いんですよ。まず、ポール・レインの歌が素晴らしい。この人、1990年に『STICK IT IN YOUR EAR』というソロアルバムを発表しているんですが、これが名盤でして。当時日本盤も発売されており、僕も当時かなり聴きまくったものです。
その彼が、本作でも力強くしっかりと聴かせるボーカルを提供してくれたことで、アルバムの軸がしっかりしているように感じられる。ヘヴィでサイケデリックな楽曲が中心ですが、単なる亜流とは思えないくらいのクオリティなんじゃないかと思うのです。
個人的にはグルーヴィーな「Mother Mercy」や、サイケなミディアムチューン「Sorry」、アコースティックバラード「Goodbye」などがツボ。もちろんそれ以外の楽曲もよくできていると思います。DANGER DANGERというバンド名にキラキラ感を求める層には無縁のアルバムかと思いますが……「過去のイメージからしたら駄作」で終わらせないためにも、偏見なくヘヴィな音楽を楽しめるという人にはぜひ一度触れていただきたい良作だと思っています。
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