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2018年5月 4日 (金)

BLOC PARTY『SILENT ALARM』(2005)

イギリス出身の4人組バンド、BLOC PARTYが2005年2月に発表した1stアルバム。2004年から2005年初頭にかけて発表されたシングル「Banquet」(全英51位)、「Little Thoughts」(同38位)、「Helicopter」(同26位)、「So Here We Are」(同5位)のヒットを受けて、アルバムはいきなり全英3位という大成功を収めました。

“ポストパンク・リバイバル”と呼ばれるムーブメントの末期に誕生した彼らですが、当初はどこか胡散臭さを感じていました。性急なビートとラッセル・リサック(G)が生み出すカラフルなギターアンサンブル、そして真っ直ぐすぎてあまり抑揚が感じられないケリー・オケレケ(Vo, G)の歌声。例えば、同時期に活躍していたFRANZ FERDINANDあたりと比べてしまうと、クセは強いのに個性がいまいち足りないような気がしてしまって……。

だけど、いざアルバムを聴くと非常によく作り込まれている。先に挙げたようなシングル曲はもちろんのこと、アルバム全体を通してするっと聴けてしまう。そう、ポストパンクの手法を取り入れてはいるものの、基本的にはポップなんですよ。だから聴きやすい。本作が『NME』が選ぶ2005年度年間アルバムランキング1位に選ばれたのも、頷ける話といいますか。

この手のバンドにありがちなリズムの軽さも、スルスルと聴けてしまう要因のひとつかもしれません。で、この感覚って何かに似ているな……と考えてみると、わかりました。ここ10年くらいの間に登場した日本の“四つ打ち”主体のロックバンドのそれに近いんです。ああ、なるほどなあ。即効性は確かに強いけど、味わい深さはちょっと足りない。どこか共通するものがありますよね?

もちろん、これは両者を非難しているわけではありません。バンドがオーディエンスと戦っていくために、どこに軸を置くかというだけの話ですので。事実、BLOC PARTYの場合、このデビューアルバムでの教訓を軸に、続く2ndアルバム『A WEEKEND IN THE CITY』(2007年)で一気にその才能が花開くわけですから。

あの頃感じた胡散臭さは、今は完全に払拭されている。リリースから13年を経て久しぶりに聴き返したこのアルバムも、先に挙げたようなリズムの弱さは否めないものの、楽曲の良さは今も色褪せていないわけですから。

そして、このアルバムを聴くと2005年前後、あの時代ならではの空気感が一気によみがえります。これこそが音楽の醍醐味。ホント面白い時代でしたね……。



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投稿: 2018 05 04 12:00 午前 [2005年の作品, Bloc Party] | 固定リンク