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2018年5月 3日 (木)

THE LIBERTINES『THE LIBERTINES』(2004)

THE LIBERTINESが本国イギリスで2004年8月末、日本で同年9月初頭にリリースした、通算2作目のオリジナルアルバム。前作『UP THE BRACKET』(2002年)やそこまでに発表されたシングル、およびそれに伴う活動で各方面に衝撃を与え続けた彼らですが、このアルバムが発表される頃にはすでにバンド内は崩壊状態で、ピート・ドハーティ(Vo, G)は10日あまりでレコーディングから離脱。以降、ライブにも参加することなるバンドはこのアルバムを発表し、同年末には正式に解散するのでした。

そんなネガティブ要素プンプンの本作ですが、1stアルバムの勢い任せの部分が後退したおかげで、楽曲の良さ……ピートとカール・バラー(G, Vo)のソングライターとしての力量がより見えやすくなったのではないでしょうか。

事実、オープニングを飾る「Can't Stand Me Now」のポップさは何者にも変えがたい素晴らしさがあるし、「Music When The Lights Go Out」や「Road To Ruin」のようなミィアムチューンにもじっくり聴かせる何かが存在している。もちろん、前作にもその要素は十分に含まれていたのですが、本作には切羽詰まった環境の中にもアーティストとしての急成長が見られ、そういったアンバランスさがこのアルバムの魅力を強めているような気がします。

かと思えば、「Arbeit Macht Frei」や「The Saga」のように1分少々の突っ走りまくるパンクロックもあるし、ガレージロックやパブロックからはもちろん、それ以前のルーツロックからの影響も至るところから感じられる。このバンドが単なるポッと出のパンクスではなく、音楽的にしっかりした土台を持つミュージシャン/アーティストであることが伺える側面ではないでしょうか。

でも、リリース当時はそんなこと、冷静に考えられなかったんですよね。リリース直前に敢行された『FUJI ROCK FESTIVAL '04』のステージでは、ピートを欠いた編成でカールが歌っていましたし、若干落ち着いたその作風に「もはや登場時の衝撃を求めるのは残酷かな?」と落胆したりと、彼らが何かするたび、何か発表するたびにネガティブな要素を感じてしまっていたのですから。

だから、彼らが3rdアルバム『ANTHEMS FOR DOOMED YOUTH』(2015年)を発表したあとのほうが、この2枚目に対する正当な評価が下せるようになった気がします。うん、今はデビューアルバムと同じくらい好きな作品ですし、なんなら聴く頻度は全3作中もっとも多い1枚ですから。

ピートの過去のドラッグ癖や犯罪歴が災いして、なかなか来日は難しいと思いますが、いつの日かまたこの4人が日本のステージに立つ姿を観てみたいものです。



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投稿: 2018 05 03 12:00 午前 [2004年の作品, Libertines, The] | 固定リンク