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2018年5月 2日 (水)

SLAYER『WORLD PAINTED BLOOD』(2009)

2009年11月にリリースされた、SLAYER通算10作目のオリジナルアルバム。パンクカバー集『UNDISPUTED ATTITUDE』(1996年)を含めると、11枚目のスタジオアルバムとなります。また、本作は同年10月に開催された『LOUD PARK 09』にSLAYERがヘッドライナーとして出演したこともあってか、海外より1週間ほど早い10月末に先行リリースされています(とはいえ、ラウパー開催までには発売が間に合わなかったんですが)。

本作は、3rdアルバム『REIGN IN BLOOD』(1986年)から続いたリック・ルービン体制最後の作品。ここ数作リックはプロデュースそのものには携わってはいなかったものの、エグゼクティブプロデューサーとしては名を連ねていました。本作でAmerican Recordingsとの契約が終了することもあり、リックとの共同作業もここで一旦途切れたわけです。

今作ではMETALLICA『DEATH MAGNETIC』(2008年)SLIPKNOT『VOL. 3: THE SUBLIMINAL VERSES』(2004年)などで知られるグレッグ・フィドルマンをプロデューサーに迎え、スタジオでセッションを重ねながらレコーディングを敢行。セッションに次ぐセッションを経て仕上げられていった楽曲群は、どこかライブ感を重視した雰囲気を醸し出しており、生々しさという点においてはここ数作の中ではダントツだと思います。もともとグレッグがそういったタイプのエンジニアというのも大きいんでしょうね。

オープニングトラック「World Painted Blood」こそ仰々しいイントロを持つ大作ですが、それ以外の楽曲は基本的に2〜3分台のショートチューンが中心。ドラムの音作りが若干軽めなせいもあってか、そこがパンクロック的な抜けの良さと通ずるものがあります。そういった点こそSLAYERにしては異質に感じられますが、楽曲そのものはいつもどおりの残虐で暴力的なヘヴィメタルそのもの。まさに“世界を血で染める”というアルバムタイトルどおり、血生臭い1枚と言えるでしょう。

キャッチーさという点においては、前作『CHRIST ILLUSION』(2006年)やその後の『REPENTLESS』(2015年)に譲りますが、ハードコア度は『DIVINE INTERVENTION』(1994年)に匹敵するものがある気がします。要するに、SLAYERはいつも最高っていうことです(笑)。

これがトム・アラヤ(Vo, B)、ケリー・キング(G)、ジェフ・ハンネマン(G)、デイヴ・ロンバード(Dr)のオリジナル編成最後のアルバムになってしまうなんて、発売当時は考えたこともなかったし、そもそもジェフ最後の作品になるとは誰が想像したでしょう。アルバムとしての印象は全キャリア中でも薄いほうかもしれませんが、ことジェフとの思い出となると非常に重要な1枚なのかもしれません。

今日は5月2日。午後から思い出したかのように引っ張り出し、爆音で聴いております。みんなもこのアルバムを聴いて、ジェフ・ハンネマンという素晴らしいギタリストがいたことを、今日くらいはしっかり思い出してほしいな……。

そしてSLAYERは5月10日、サンディエゴからフェアウェルツアーをスタートさせます。このツアーがいつまで続くのかはわかりませんが、もう一度あの勇姿を目に焼き付けておきたいところです。



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投稿: 2018 05 02 03:00 午後 [2009年の作品, Slayer] | 固定リンク