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2018年6月18日 (月)

MEGADETH『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!: THE FINAL KILL』(2018)

MEGADETHが1985年6月にリリースしたデビューアルバム『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』を新たにリミックス&リマスターを施し、未発表のライブ音源などを追加し、ジャケットも新たに作り直した、まさに“THE FINAL KILL”というサブタイトルにふさわしいデラックスエディション。

『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』はその音の悪さ、ジャケットのチープさ(レーベルから与えられた予算を、デイヴ・ムステインがドラッグに使ってしまったため、制作にかけるお金がなくなったことが原因だとか)から、2002年には新たにリミックス&リマスターを施しジャケットを一新したバージョンが発売されています(現在配信などで聴けるのがこちらのバージョン)。確かにあのチープさが払拭され、2本のギターやドラムなどがすべてセンター寄りにミックスされていたオリジナル盤を“モノラル的”と呼ぶなら、こちらはしっかり左右にパンされた“ステレオ的”に生まれ変わっています。

ですが、このアルバム。何度かの再発のたび中身に手を入れられた曰く付きの1枚でして。1985年版(8曲入り)に入っていたナンシー・シナトラのカバー「These Boots」(オリジナルタイトルは「These Boots Are Made For Walkin'」)が、作者から「歌詞がお下品極まりない!」とクレームが入り、1995年再発版にてカット(7曲入り)。2002年版で晴れて「These Boots」が復活するのですが、歌詞に規制が入り、ところどころに“ピー”音が加えられるというひどい展開に(同曲は1985年版では4曲目に収録されていましたが、2002年版から8曲目に変更)。なお、同作から「Last Rites / Love To Deth」「The Skull Beneath The Skin」「Mechanix」のデモが追加され、全11曲入りとなります。

さて。そこから16年経ち、バンドも結成35周年を迎えた2018年に“最終バージョン”として発表された『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!: THE FINAL KILL』。音のキレがより研ぎ澄まされ、ドラムサウンド(特にバスドラ)により重みが加わったことで、「1985年のインディーズ作品のサウンド」からかなりかけ離れた、非常に“イマドキ”な音にバージョンアップしています。また、今回のリミックスではオリジナル版には入ってなかった音も追加され、よりゴージャスに変化。ぶっちゃけ、かなりカッコいいです。本当に細かな違いですが、2002年版よりもスッと入っていける仕上がり。2004年にCapitol Records時代のオリジナルアルバムがムステイン主導でリミックス&リマスタリングされましたが、まさにあの一環で補正された1枚と言えるでしょう。

しかも、問題の「These Boots」も今回から“ピー”音が外されている。それどころか、新たにムステインのボーカルが再録されているんですよ。これにはびっくりしました。ただ……現在のキーに合わせてなのか、曲自体のキー(チューニング)が落とされているのがちょっと……違和感残りまくり。今のムステインに往年のキーを求めるのは酷でしょうけど、そこだけはちゃんと原曲キーでやってほしかったな。あと、曲順も1985年版に戻してほしかった。ま、オッサンのたわごとですけどね。

あと、今回のデラックス版には新たに『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』収録曲全曲(「These Boots」除く)の未発表ライブ音源が追加収録されています。「ムステインが自宅の屋根裏から発掘したVHSテープより、初出となる86〜90年の貴重なライヴ音源」(プレスリリースより)とのことで、もちろん時期によってバンド編成が異なるものが並列しています。といっても、「The Skull Beneath The Skin」1曲だけ、マーティ・フリードマン(G)&ニック・メンザ(Dr)在籍時ってだけですけどね。これらの音の悪さについては……まあオマケですね。最近のMETALLICAのリイシューと同じ感覚で楽しめたらと。

にしても、改めてこのアルバムってこんなにカッコいい曲だったんだ(いや、もちろん今までもカッコいいと思ってたけど、オリジナル版を聴いて感じていたブルータルな“カッコいい”とは違う、整合感がしっかりあって攻撃的な“カッコいい”なんですよね、今回のって)ってことを再認識するきっかけをくれたこのリイシュー版。最高ですね。「Last Rites / Love To Deth」「The Skull Beneath The Skin」「Rattlehead」「Mechanix」あたりはここ最近のMEGADETHしか知らない若いリスナーにこそ聴いてほしいし、全体を通して今の彼らが失ってしまった(もはや取り戻せない)ギリギリ感、ヒリヒリ感を追体験してもらいたいものです。



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投稿: 2018 06 18 12:00 午前 [1985年の作品, 2018年の作品, Megadeth] | 固定リンク