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2018年6月13日 (水)

KISS『ALIVE II』(1977)

1977年10月にリリースされた、KISS通算2作目のライブアルバム。1975年に発表された初のライブアルバム『KISS ALIVE!』は彼らにとっての出世作となり、それに続く“二匹目のドジョウ”として本作が制作されたのは間違いないでしょう。また、前作が1stアルバム『KISS』(1974年)から3rdアルバム『DRESSED TO KILL』(1975年)までのベスト選曲だとしたら、今作はブレイク後の3枚……1976年の4th『DESTROYER』から1977年の6th『LOVE GUN』までのベスト選曲。つまり、実際のライブでは演奏されている「Rock And Roll All Nite」をはじめとする初期3作からの代表曲は意図的に外された、ある種の“擬似セットリストによるライブ作品”となっています。

さらに、本作では大掛かりな手直し(オーバーダブ)も積極的に行われており、「大歓声をあとから被せる」「ポール・スタンレー(Vo, G)のボーカルをスタジオで録り直す」「かといって元のライブテイクも生かされており、微妙なダブルボーカルになっている箇所が見受けられる」など、ライブ作品として考えると絶対にありえない、あっちゃいけない編集ポイントがそのまま残っていいたりします。ちょっとお粗末すぎないか。

でも、だからこのアルバムがダメかというと、まったくそんなことはなく。前作『KISS ALIVE!』ではブレイク寸前のKISSの勢いが凝縮されていましたが、本作ではアリーナクラスでライブを連発する売れっ子バンドとなったKISSの“今”が凝縮されており、そういった意味では両作を聴き比べてみると非常に面白いのではないでしょうか。

ちなみに本作、アナログ/CDともに2枚組仕様で、ライブ音源15曲のほか、本作のために新たに制作されたスタジオ音源5曲を加えた全20曲収録。アナログだとディスク1のA/B面、ディスク2のA面(C面)にライブ音源、ディスク2のB面(D面)に新曲が収められています。ライブ作品にスタジオ音源が入っているというちぐはぐ感は、初めて聴いた高校生の頃「?」と思ったものの、その後こういったボーナストラック的にスタジオ音源を加えることは、いろんなバンドがやってますよね。そういった意味では先駆者だったのかしら(それ以前にもいるような気がしますが)。

新曲はポール歌唱曲2(「All American Man」「Any Way You Want It」)、ジーン・シモンズ(Vo, B)歌唱曲2(「Rockin' In The U.S.A.」「Larger Than Life」)、エース・フレーリー(G, Vo)歌唱曲1(「Rocket Ride」)という内訳。あれ、ピーター・クリス(Dr, Vo)は? ちなみに、5曲中3曲のリードギターはエースではなく、ボブ・キューリックが弾いています。あれ、もうこの頃から怪しい雰囲気だった?

『KISS ALIVE!』にあった生々しさはここには存在しないものの、良くも悪くも“作り込まれた”バンド・KISSならではの“らしさ”が色濃く表れた、良曲満載のライブベスト。ぜひ『KISS ALIVE!』とあわせてお楽しみあれ。



▼KISS『ALIVE II』
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投稿: 2018 06 13 12:00 午前 [1977年の作品, KISS] | 固定リンク