BULLET FOR MY VALENTINE『SCREAM AIM FIRE』(2008)
海外では2008年1月、日本では同年2月にリリースされたBULLET FOR MY VALENTINEの2ndアルバム。前作『THE POISON』(2005年)が全英21位、全米128位という成績を残し、全世界で100万枚を超えるセールスを記録した彼ら。続く本作ではアメリカで最高4位、イギリスでも最高5位という好記録を打ち立てました。
マシュー・タック(Vo, G)は前作に伴うツアーにて喉を痛めたことにより、本作のレコーディングでスクリームやグロウルを多用した歌唱方法からボーカルスタイルを大きく変更。楽曲スタイルもこれにあわせて、いわゆるメタルコア的な楽曲構成もよりストレートなヘヴィメタルに接近していきます。
オープニングを飾る「Scream Aim Fire」は疾走感あふれる王道メタルナンバーで、クリーントーンでストレートに歌い上げる手法にシフトしたことから、かなり正統派メタル色の強い仕上がりに。現代的なメタルコア路線よりも、古き良き時代のHR/HMを踏襲するその路線に、当初こそ困惑したものでしたが、聴けば聴くほどその楽曲のキャッチーさにやられ、気づけば2000年代を代表するメタルアンセムにまで成長していた……そんな1曲だと認識していますが、いかがでしょう。
そのほかにも「Eye Of The Storm」「Waking The Demon」など、スラッシュメタル以降のテイストを取り入れた疾走メタルナンバーがあったり、泣きメロメタルバラード「Say Goodnight」があったりと、前作をより進化させたような楽曲がずらりと並ぶ。かと思えば、メジャーキーの爽やかなアップチューン「Hearts Burst Into Fire」「Forever And Always」といった新境地ナンバーもある。見方によっては“別のバンド”になってしまったような印象も受けますし、最初のEP『BULLET FOR MY VALENTINE』(2005年)や『THE POISON』で彼らに魅了されたリスナーにとって、この『SCREAM AIM FIRE』はすべてを受け入れるには少々時間を要する1枚だったのかな、という気がします。
喉の故障によりマシューがクリーンで歌うことに注力したことにより、スクリームはジェイソン・ジェイムズ(B)が務めたり、さらにライブでは彼がそっち系のボーカルを務める比重が高まっていく。そういった点においても、バンドが一段上に進むために変化を遂げた……ポジティブに考えれば、そう受け取れるのではないでしょうか。
「Forever And Always」のような壮大な楽曲を聴くと、彼らがどこに進んでいきたいのかよく理解できるのではないでしょうか。もちろんこの曲がすべてではないですが、彼らは狭い世界で生きるよりもさらに大きな地平を目指した。思えば本作は、このあと続いていく進化の過程における第一歩に過ぎなかった……リリース当時はそんなこと考えもしませんでしたが、本作は“それ以前”と“それ以降”のバランスが一番絶妙な作品だったように思います。改めて今、しっかり聴いておきたい傑作です。

▼BULLET FOR MY VALENTINE『SCREAM AIM FIRE』
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