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2018年6月 6日 (水)

HALESTORM『THE STRANGE CASE OF...』(2012)

リジー・ヘイル(Vo)率いる4人組バンドHALESTORMが2012年4月にリリースした、通算2作目のスタジオアルバム。デビューアルバム『HALESTORM』(2009年)が全米40位、50万枚を超えるヒット作となったあとのアルバムだけに、さらなるヒットが期待されましたが、アルバムは最高15位まで上昇。前作同様に50万枚以上もの売り上げを記録しました。また、アルバムからシングルカットされた「Love Bites (So Do I)」「I Miss The Misery」がBillboardメインロックチャート2位、「Freak Like Me」が同チャート1位にランクインする好成績を残しています。まさしく、HALESTORMにとって大きな出世作と言えるでしょう。

プロデュースを手がけたのは、80年代末からHR/HMバンドの作品を数多く手がけているハワード・ベンソン。適度にモダンながらも、ど真ん中を突く王道感満載の豪快なハードロックが展開されています。

オープニングの「Love Bites (So Do I)」の疾走感と、リジーのパワフルなボーカルでいきなり心を鷲掴みにされることは、まず間違いないでしょう。この曲、昨年デビューした日本の女性メタルバンドLOVEBITESの、バンド名の由来にもなっている1曲で、ライブでもカバーされていました。

かと思えば、続く「Mz. Hyde」ではBLACK SABBATHを彷彿とさせるヘヴィなリフ、豪快なボーカルとリズムでワイルドさを表現。さらに「I Miss The Misery」ではシンガロングしたくなるフレーズも登場し、適度なポップさとハードさが混在する親しみやすい楽曲に仕上げられています。

と、ここまで聴いて実感したのは、こういう音が2000年代の王道なんだろうなということ。この質感や楽曲のテイスト、例えば2000年代半ばにメジャーデビューしたAVENGED SEVENFOLDあたりとも共通する点があると思うのです。本人たちは80年代の王道HR/HMからの影響を大きく受けながらも、それをそのままなぞるのではなく、しっかり90年代も通過したことで吐き出されるそのサウンドは、僕らリアルタム80年代通過組が想像するそれとはまったく違うものに仕上がっている。それは良い/悪いという次元ではない、これこそが“時代に沿った音”なのだという証明のような気がするのです。

そういう意味では、HALESTORMやAVENGED SEVENFOLDのようなバンドがメインストリームにいることは正しいような気がしてきます。

中盤にはポップなミディアムチューン「Beautiful With You」、パワーバラード「In Your Room」、ピアノバラード「Break In」としっかり聴かせる楽曲も。もちろん、後半に入ると「Rock Show」で再び攻めの姿勢に戻るし、AC/DCを彷彿とさせるミドルテンポのハードロックが並ぶ構成も、いかにもアメリカのバンドらしい。最後にアコギを用いたバラード「Here's To Us」で締めくくるあたりもさすがです。これが売れない理由が見つからない、納得の1枚です。

なお、本作には異なるボーナストラックを含むいくつかのバージョンが存在。日本盤には本作の前にリリースされたカバーEP『REANIMATE: THE COVER EP』(2011年)から、「Slave To The Grind」(SKID ROW)、「Bad Romance」(LADY GAGA)、「Hunger Strike」(TEMPLE OF THE DOG)、「All I Wanna Do Is Make Love To You」(HEART)、「I Want You (She's So Heavy)」(THE BEATLES)の5曲を追加(GUNS N' ROSES「Out Ta Get Me」のみ未収録)。海外ではジェームズ・マイケル(SIXX: A.M.)をフィーチャーした「Private Parts」など未発表曲3曲が追加されているほか、のちにリリースされたリイシューバージョンにはスラッシュ、ウルフガング・ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)、マイルズ・ケネディ(ALTER BRIDGE)、ジェームズ・マイケル、デヴィッド・ドレイマン(DISTURBED)などがゲスト参加した「Here's To Us」が収録されています。

どれを買うか迷いそうですが、HALE STORMを初めて聴くならルーツが垣間見れる日本盤がベスト。ちなみに、ストリーミング版では海外デラックス盤にリイシュー盤のボートラを加えた全16曲を聴くことができるので、こちらもオススメです。



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投稿: 2018 06 06 12:00 午前 [2012年の作品, Halestorm] | 固定リンク