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2018年7月27日 (金)

PET SHOP BOYS『ACTUALLY』(1987)

1987年9月に発売された、PET SHOP BOYSの2ndアルバム。デビューアルバム『PLEASE』(1986年)が英米で大ヒットし、シングル「West End Girls」が英米ともに1位を記録するなど、デビューから好調な出足となった彼らは、早くも2作目に着手します。

前作は過去のストックはメジャーデビュー前に発表したシングル曲を焼き直ししたものも多く含まれていたため、本格的に個性が発揮されるのはこの2枚目から……と思っていたリスナーも少なくなかったはず。

当時高校生だった僕はというと……そんなことまったく考えもせず、単純にリードシングル「It's A Sin」(全英1位、全米9位)のドラマチックさにヤラれて発売日にCDを手にしただけでした。

デビュー作にあった冷たさが若干薄らいだ気がするこのアルバムは、インディーズ時代の発表済みの「One More Chance」のリ・レコーディングバージョンからスタート。「あれ、まだストックあったの?」なんてことは当時思いもしなかったけど、前とはちょっと毛色が違うな、とここで気づくわけです。

そして2曲目「What Have I Done To Deserve This?」(全英&全米2位)はメジャーキーの朗らかなポップチューン。デュエット相手のダスティ・スプリングフィールドの名前はここで初めて知りました。そんなリスナーです。

頭2曲に「前と違う……」とがっかりしながらも、続くテクノポップ調の「Shopping」やひんやりしたエレポップ「Rent」に「そうそう、これこれ!」と膝を打ち、5曲目「Hit Music」の軽薄さに再び落胆。1曲ごとに気持ちが揺さぶられ、忙しいたらありゃしない。

でも、「It Couldn't Happen Here」で後半に入ると自分が彼らに求めるディープな世界観が次々と展開されていくのです。多少の起伏はありながらも、自分の思う“PET SHOP BOYSらしさ”がキープされており、ラストの「King's Cross」で大団円を迎える。最終的に「……うん、良いアルバム!」と納得させられてしまう、そんな1枚だったと記憶しています。

あれから30年以上経った今聴くと、メジャーキーの楽曲や軽薄なダンスチューン、さらには同時期にシングルリリースされたエルヴィル・プレスリーのカバー「Always On My Mind」(全英1位、全米4位)の能天気さも嫌いになれない……というか、むしろ気に入っている自分がいる。それは、このバンドの本質がデビュー作にあったものだけではないことを、以降発表される作品群から学んだことも大きいと思います。

昨年から彼らのカタログがリマスター&ボーナストラック多数追加で次々にリイシューされていますが、このアルバムも今年3月に2枚組で再発されたばかり。この機会に、彼らの名盤の数々にたっぷり触れてみてはいかがでしょう。

ちなみに、今でもこのアルバムが彼らの作品群の中で一番のお気に入りです。



▼PET SHOP BOYS『ACTUALLY』
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