VAN HALEN『BALANCE』(1995)
1995年1月にリリースされたVAN HALEN通算10枚目のスタジオアルバム。サミー・ヘイガー(Vo)参加作としては4作目にして、最後のオリジナル作品となります。
このバンドの興味深いところは、HR/HM冬の時代に突入した90年代前半〜半ばも好セールスを維持しているところ。グランジ前夜に発表された前作『FOR UNLAWFUL CARNAL KNOWLEDGE』(1991年)は全米1位を獲得しただけでなく、アメリカだけで300万枚を超えるセールスを記録。続く本作も全米No.1に輝き、同じく300万枚以上も売り上げています。ただ、前作以降は大きなシングルヒットには恵まれず、本作からは「Can't Stop Lovin' You」が全米30位、「Not Enought」が全米97位と低調で終わっています(リード曲「Don't Tell Me (What Love Can Do)」は全米メインストリームロックチャートで1位に輝いていますが)。
前作から80年代の派手なアリーナロック色に、若干マニアック(玄人好み)なテイストが加わり、意外と時代に呼応したスタイルを確立させていた彼ら。その作風は本作でも引き継がれており、例えば「Don't Tell Me (What Love Can Do)」でのダークな曲調は従来の持ち味であると同時に“グランジ以降”を思わせるものでもあります。
かと思えば、軽やかでポップなアメリカンハードロック「Can't Stop Lovin' You」があったり、じっくり聴かせるピアノバラード「Not Enought」もある。と同時に、本作には珍しくインストナンバーが3曲も含まれている。「Strung Out」は次曲「Not Enough」への伏線的な小楽曲ですが、「Doin' Time」はアレックス・ヴァン・ヘイレン(Dr)のプレイを前面に打ち出したパーカッシヴなインスト、続く「Baluchitherium」はバンドスタイルで演奏される本格的なインストゥルメンタルナンバーなのです。サミー・ヘイガー加入後は“歌モノ”のイメージがより強まっていましたが、3曲中2曲がインタールード的なものであるとはいえこうした楽曲が増えていることに、バンドとして変革期を迎えつつあるのかな、なんてことを当時考えたことを思い出しました。
もちろん、それ以外にはサミーのパワフルなボーカルやエディ・ヴァン・ヘイレン(G)の圧倒的ギタープレイが大々的にフィーチャーされた“歌モノ”ナンバーがずらりと並び、オープニングの「The Seventh Seal」からラストのドラマチックバラード「Feelin'」までの全12曲(トータル53分)、するっと聴けてしまいます。『5150』(1986年)以降の“VAN HAGAR”作品を好きなリスナーなら文句なしで楽しめる1枚だと思います。
ちなみに、本作のプロデュースを手がけたのはかのブルース・フェアバーン。輸入盤のみに採用されたあのジャケットのみならず、この組み合わせにも当時は驚かされたものです。
▼VAN HALEN『BALANCE』
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