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2018年7月17日 (火)

L.A.GUNS『COCKED & LOADED』(1989)

1989年8月に発表された、L.A.GUNS通算2作目のオリジナルアルバム。デビューアルバム『L.A. GUNS』(1988年)完成後に加入したスティーヴ・ライリー(Dr)がレコーディングに初参加した作品で、フィリップ・ルイス(Vo)、トレイシー・ガンズ(G)、ミック・クリプス(G)、ケリー・ニッケルズ(B)、スティーヴという全盛期メンバーがレコーディングのみならず曲作りにも本格的に参加した1枚でもあります。

プロデュースを手がけたのは、MOTLEY CRUECHEAP TRICKPOISONDOKKENなどでおなじみのトム・ワーマンと、デュアン・バロン&ジョン・パーデル(オジー・オズボーンアリス・クーパーDREAM THEATERなど)というゴールデンチーム。演奏や音質含め初期衝動の塊だった前作とは異なり、かなり“整理された”ハードロックアルバムに仕上げられています。

パンキッシュな疾走感はできる限り抑えられ、代わりにメロディや演奏面が非常に練りこまれている。1曲1曲の仕上がりは非常に高品質で、かつ楽曲のタイプの幅も広がっている。このへん、上記プロデューサー陣がかなりテコ入れしたんじゃないかと想像できます。

例えば「Rip And Tears」のような曲も、前作に入っていてもおかしくないんだけど、要所要所にフックが仕込まれている。その一番わかりやすい形が、エンディングですね。こういった仕掛けはMOTLEY CRUEの楽曲にも存在しましたが、ライブ感を強めるという意味でもこの仕掛けは成功しと言えるでしょう。

アレンジという点においては、「Malaria」や「Magdalaine」といった楽曲が生まれたことも、このバンドにとって非常に大きかったと思います。ヘヴィさやサイケデリック感を打ち出したこれらの楽曲は、アルバムの中でも異彩を放っているし、ライブにおいても見せ場のひとつになったのは間違いありません。事実、前者はいまでもライブで披露される機会が多いですし、そういう意味でも本作中盤、「Never Enough」〜「Magdalaine」の流れは以降の“L.A.GUNSらしさ”にもつながる重要な要素になったのではないでしょうか。

また、この時期のHR/HMバンドにとって重要なファクターだった“パワーバラード”、“アコースティックテイスト”もしっかり備わっており、その2つを効果的に用いた「The Ballad Of Jayne」というヒットシングル(全米33位)も生まれました。これを受けてアルバムも最高38位まで上昇し、無事ミリオンセールスを記録したわけですから。

さて、L.A.GUNSのメジャー時代(80年代後半〜90年代前半)の諸作品って、一切デジタル配信&ストリーミング配信されてないんですね。しかも、本作に関しては国内外で廃盤状態みたいですし(5年くらい前に、ボーナストラックが追加されたものが再発レーベルRock Candy経由で流通していましたが、今はどうなんでしょう)。つい先日、1枚目のほうは国内盤が1000円で限定再発されましたが、むしろこっちのほうを再発してほしいんですよね。同企画の第2弾の際にはぜひお願いします!(いや、むしろあの企画の選盤に関わりたいくらいですけどね)


※代わりに2000年にリリースされたオリジナル編成での再録バージョンを。



▼L.A.GUNS『COCKED & LOADED』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2018 07 17 12:00 午前 [1989年の作品, L.A.Guns] | 固定リンク