MOTLEY CRUE『DECADE OF DECADENCE '81-'91』(1991)
1991年10月にリリースされた、MOTLEY CRUEの結成&デビュー10周年記念コンピレーションアルバム。初の全米No.1獲得&600万枚を超えるメガヒットとなった5thアルバム『DR. FEELGOOD』(1989年)に続くアイテムということもあってか、本作は全米2位&200万枚以上もの売り上げを記録しました。
気になる内容はといいますと、この10年間に発表された5枚のオリジナルアルバムから2曲ずつピックアップして収録+コンピレーションアルバムや映画のサントラに提供したアルバム未収録曲や本作のために録り下ろした新曲&カバー3曲を加えた全15曲で構成。こう聞くとベストアルバム的な印象を受けるかもしれませんが、まあだいたい正解です。
1stアルバム『TOO FAST FOR LOVE』(1981年)からは「Live Wire」「Piece Of Your Action」の2曲をセレクト。しかしこの2曲、インディーズバージョンともメジャーバージョンとも異なる、新たにリミックスされた“第3のバージョン”なのです。2作目以降の音に近づけようとして、かなりエフェクトがかけられてますが……ちょっと“トゥー・マッチ”すぎます。
2ndアルバム『SHOUT AT THE DEVIL』(1983年)からは「Shout At The Devil」と「Looks That Kill」を選出。こちらは本作用にリマスタリングされたのみで、原曲と大きく変わりません。で、3rdアルバム『THEATRE OF PAIN(1985年)からは「Home Sweet Home」「Smokin' In The Boys Room」の2曲。無難ですね。
こちらは前者のみ「Home Sweet Home '91」と題したリミックスバージョンとなっておりますが、リミックスとは名ばかりで、ボーカル&ギター以外のバックトラックが再録音されているのです。トミー・リー(Dr, Piano)のピアノはよりアコースティック色が強くなり、リズム隊はボブ・ロックの手によって“『DR. FEELGOOD』以降”のサウンドに生まれ変わっています。また、コーラスパートも一部追加録音されているようで、サビに厚みが加わっています。こちらの再録バージョンは本作からシングルカットされ、チャート上では原曲(全米89位)を超える全米37位を記録しました。
4thアルバム『GIRLS, GIRLS, GIRLS』(1987年)からは「Girls, Girls, Girls」と「Wild Side」の2曲で、特に手を加えた形跡なし。で、5thアルバム『DR. FEELGOOD』(1989年)からは「Dr. Feelgood」と「Kickstart My Heart」の2曲が選ばれ、後者は1990年7月のUSツアーからライブ音源が採用されています。この曲だけライブってどうなのよ?っていう考えもありますが、当時ライブアルバム未制作だったこのバンドにとっては、貴重なテイクだったかなと。
以上10曲、セレクトからも単なるグレイテストヒッツではないことが伺えます。それだったら『DR. FEELGOOD』からもっと曲を増やすでしょうし。
で、本作はここからが本編といっても過言ではないわけでして。サントラやコンピ収録の「Teaser」「Rock 'N' Roll Junkie」は『DR. FEELGOOD』の流れからレコーディングされたものなので、どちらもボブ・ロックがプロデュースしたもの。前者はDEEP PURPLEでも活躍したギタリスト、トミー・ボーリンのカバーです。後者はニッキー・シックス(B)のリフとミック・マーズ(G)のカッティングがカッコいい1曲です。
新たにレコーディングされた新曲「Primal Scream」なんですが(本作からの1stシングルで、全米63位を記録)、メロディがキャッチーではない地味な曲という印象。ですがこれ、ライブで聴くとめちゃめちゃカッコいいんですよね。トミー・リーが生み出すグルーヴ感とミック・マーズのスライドギターが絶妙で、不思議と飽きがこないんですよ。サビのコール&レスポンスも明らかにライブをイメージして作ったものでしょうしね。
さらにもう1曲、オリジナルの新曲「Angela」はパワーポップ寄りのメロディアスなロックナンバー。「Primal Scream」との対比が面白い。あんまりライブで披露されたことのないレア曲じゃないかなと。この曲もドラムとギターがカッコいいったらありゃしない。
そして、最後の最後にカバー曲……ベタ中のベタ、SEX PISTOLSの「Anarchy In The U.K.」です。彼らにしては手垢のついた曲に手を出したなと。なぜ今これを選んだ!?と当時は疑問に思ったものですが(数年前にMEGADETHがカバーしたばかりじゃん!って)……まあ、普通のカバーです。以降のライブでは定番化してしまいましたが、個人的にはどうでもいい1曲です。
ちなみに、本作はワーナー(本国のElektra Records)との契約が終了し、権利を自身のレーベルに移行させてからは廃盤状態に。大半の新曲/コンピ収録曲は『SUPERSONIC AND DEMONIC RELICS』(1999年)で聴くことができるので、CDを中古盤で安く購入するか配信で『SUPERSONIC AND DEMONIC RELICS』をチェックするかしてみてください。
※念のため、こっちも貼っておきますね。

▼MOTLEY CRUE『DECADE OF DECADENCE '81-'91』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD)
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