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2018年7月24日 (火)

BON JOVI『THE CIRCLE』(2009)

2009年11月にリリースされた、BON JOVI通算11作目のスタジオアルバム。

前作『LOST HIGHWAY』(2007年)ではカントリー色を強調した作風で19年ぶりの全米1位を獲得しましたが、続く本作もアメリカで初登場1位を記録。セールス的にはそれまでずっと保ってきたミリオンを初めて割り、50万枚程度(全世界で300万枚)にとどまっています。また、大きなヒットシングルも生まれず、リードトラック「We Weren't Born To Follow」が最高68位に達したのみでした。

では、このアルバムは前作までと比べて駄作なのかというと、まったくそういうこともなく。むしろ、『LOST HIGHWAY』で離れてしまったハードロックファンを少しでも引き戻す魅力が詰め込まれているのではないか、と思っています。

当時のインタビューで、リッチー・サンボラ(G)はこのアルバムについて「ロックンロールに回帰したアルバム。至るところに大合唱できるようなコーラスがあって、“これぞBON JOVI”って内容なんだ。でも、単なる焼き直しじゃなくて、しっかりフレッシュなものだよ」と述べています。ホント、この言葉がすべてなんですよ、このアルバム。

全体のトーンとしては若干暗めで、そこは過去の作品でいうと『BOUNCE』(2002年)に近いかもしれません。が、本作がそこで終わらないのは、闇を抜け出そうとする光が見つけられるところ。ダークな世相を反映しつつも、そこから立ち上がろうとする力が『BOUNCE』以上に強く、トーンは落ち着いているもののポジティヴなイメージを受ける。そこが本作最大に魅力ではないでしょうか。

正直、“いかにもBON JOVI”と言えるような80〜90年代の彼らに近い楽曲は少ないです(ゼロではない)。というよりも、むしろ“これからのBON JOVI”をアピールするような作風と言えるでしょう。実際、今となっては最新作『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE』(2016年)ってこの『THE CIRCLE』に比較的近い印象を受けますし。そう考えると、本作から“BON JOVIのジョン・ボン・ジョヴィ(Vo)ソロ作品化”が始まっていたのかな、と。『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE』とトーンが近いという点も、そこを踏まえると納得できるんじゃないかな。

また、今作はバラードが全12曲中1曲しかないのもポイント。さらに、近作では当たり前となったボーナストラックも皆無で、トータル52、3分で聴きやすさに拍車をかけてくれます。

コーラスの被せ方やギターフレーズがどことなくU2を彷彿とさせる部分も多々あり、シリアスなテイストもU2っぽいといえば確かにそれっぽい。思えば『KEEP THE FAITH』(1992年)の時点でU2との酷似が取り沙汰されましたが、そんな次元じゃないですね(笑)。これぞ戦うロック。前作が区切りの10作目だとしたら、コテコテのハードロックとも枯れたパワーポップとも大人なカントリーロックとも違う、新しいBON JOVIをここからまた始めたということなんでしょう。リリース当時は印象が薄かったけど、今となっては何度も聴き返す1枚です。

 


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