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2018年7月23日 (月)

BLACK SABBATH『VOL.4』(1972)

1972年9月に海外で発表された、BLACK SABBATH通算4作目のオリジナルアルバム。前作『MASTER OF REALITY』(1971年)は素晴らしい作品でしたが、全8曲で歌モノが6曲(残り2曲のインストもそれぞれ30秒、1分半程度の短尺)でトータル34分という、それ以前の彼らの作品と比べれば短いもので、急ごしらえで発表した感も拭えませんでした。すでにこの頃から、オジー・オズボーン(Vo)などメンバーのドラッグ癖が悪化していたのも関係していたのでしょう。

当然、この4作目の制作期間も決して良好なものだったわけではなく、そういったドラッグの影響は作られる楽曲やサウンドにも少なからず影響を与えています。

本作は全10曲収録、うち2曲がインスト(それぞれ2分、3分を欠けるものの単独の楽曲として成立する長さ)。トータルで42分程度と『MASTER OF REALITY』以前のボリュームにまで復活。その中身に目を向けると、バンドとして変化を求め始めた時期だったのかな……と感じます。

オープニングの「Wheels Of Confusion」は8分にもおよぶ大作で、展開に次ぐ展開でとにかくスリリング。初期からの大作志向がここで完成したかのような印象すら受けます。とにかくカッコいい。

比較的キャッチーな「Tomorrow's Dream」があったかと思うと、オジーが朗々と歌うピアノバラード「Changes」でびっくり。文字どおり、本当に変化を求めていたんでしょうね。ただ、そこに体も気持ちも付いていけないメンバーもいたりして、なかなかうまくいかない。そんな時期だったのかなと。

実験的なインスト「FX」に続くのは、グルーヴィーかつダンサブルなヘヴィロック「Supernaut」。このリフとリズムが一丸となる感じがとにかく気持ちいい。かと思えば、王道のサバス流ヘヴィロック「Snowblind」や「Cornucopia」もある。「Snowblind」はこれぞドラッグソングと断言できる1曲ですね……。

トニー・アイオミ(G)のアコースティックプレイを存分に堪能できるインスト「Laguna Sunrise」で小休止したあとは、サバスにしては珍しい陽気なイントロを持つ「St. Vitus' Dance」。どことなくストレートなロックンロール風で、ここらへんも新境地と言えるのでは。そしてラストは、ドゥーミーさとグルーヴィーさが融合したヘヴィチューン「Under The Sun」で締めくくり。

サバス本来の“らしさ”を維持しつつも、バンドとしてもっと幅を広げようとする努力が垣間見られる、そんな1枚ではないでしょうか。前作『MASTER OF REALITY』や本作を指して「もっともサバスらしい作品」なんて声も少なくもないですし、中には大ヒット作の2ndアルバム『PARANOID』(1970年)や原点的なデビュー作『BLACK SABBATH』(1970年)のほうが「らしい」という声もあるでしょう。ただ、個人的にはこの初期4枚にオジー時代のサバスの“すべて”が詰まっている……そう思っているのですが、いかがでしょうか。



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投稿: 2018 07 23 12:00 午前 [1972年の作品, Black Sabbath] | 固定リンク