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2018年8月 5日 (日)

SLIPKNOT『ALL HOPE IS GONE』(2008)

2008年8月にリリースされたSLIPKNOTの4thアルバム。もう10年も経つんですね。その事実に驚きです……。

メンバーの不仲など解散の危機を経て完成にこぎつけた前作『VOL.3: (THE SUBLIMINAL VERSES)』(2004年)から4年ぶりに発表された本作は、プロデューサーをリック・ルービンからデイヴ・フォートマン(EVANESCENCE、MUDVAYNE、GODSMACKなど)に交代して制作。全米2位止まりだった前作を上回る、初の全米1位を獲得する記念すべき1枚となりました。

作風的には前作の延長線上にある、歌メロが際立つ楽曲スタイルが中心なのですが、そこに2ndアルバム『IOWA』(2001年)が持っていた凶暴性(狂気性ではなく)が若干復活し、ヘヴィロック/ラウドロックアルバムとしては正にお手本と呼べるような1枚に仕上げられています。

曲によってはブラストビートをフィーチャーしたりしており、ところどころに初期の衝動性が感じられますが、それも味付け程度といったところ。もちろんこのバンドにおける“怒り”は活動する上で必要な要素なのですが、本作に関してはあくまでキモはそこではないことは、聴けばおわかりいただけることでしょう。

メジャーデビューからまる10年経ち、大きな成功を手に入れた。活動ベースも初期のクラブやライブハウスから、今や世界各区のアリーナやスタジアムをヘッドライナーとして回っている。なんの不自由もない生活、欲しいものはなんでも手に入る人生。ある意味、この10年で彼らは人生の勝ち組にまで登りつめた。そんな人間が、「People = Shit」と素直に叫ぶことができるのか。もしかしたら、このアルバムで彼らはそういったことと向き合ったのではないでしょうか。

つまり、「ここから先もSLIPKNOTとして人生を続けることができるのか」。それは音楽のみならず、ライフスタイルという点においても。音楽という点では、個々がミュージシャンとして成長を重ねているが故の、音楽性の変化は致し方ない。そこを踏まえて、SLIPKNOTのスタイルをどう守っていくか、そのひとつの回答が本作でのバランス感なのかもしれません。そういう意味でも、本作が正統的なラウドロックアルバムに仕上がったのは正しい選択だったと、リリースから10年経った今も信じています。

ただ、ライフスタイルという点においてはメンバーによってバラツキが生じてしまった。その影響の表れのひとつが、本作リリースから2年後に起こったポール・グレイ(B)の急逝かもしれません。さらに、2013年末のジョーイ・ジョーディソン(Dr)脱退もそのひとつに数えられるでしょう。結果として、本作がデビュー時から続いた黄金期メンバーによる最後の作品となってしまいました。そう考えると非常に罪作りな1枚なのかもしれませんね……。



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投稿: 2018 08 05 12:00 午前 [2008年の作品, Slipknot] | 固定リンク