JOHN LENNON『IMAGINE』(1971)
1971年9月にリリースされた、ジョン・レノンの通算2作目となるオリジナルアルバム。英米ともに1位を記録し、シングルカットされた「Imagine」は全米3位のヒットとなりました(イギリスでは1975年にシングル化され6位)。代表曲と呼べるような曲が多く含まれている印象ですが、意外とシングル曲が少ないんですよね。
ポール・マッカートニーの脱退を受け、THE BEATLESは解散。そして発表された前作『PLASTIC ONO BAND』(1970年)は、良くも悪くもオノ・ヨーコの影響が強い内省的な内容でした。続く本作もその延長線上にある1枚と言えるのですが、どうしても表題曲「Imagine」のインパクトの強さ、そして同曲の神格化などもあり、世界平和を訴える壮大な作品と捉えられてしまいがちです。実際、「I Don't Want to Be A Soldier」や「Gimme Some Truth」なんて曲もあるし、そう受け取られても仕方ないのですが。
けれど、「Oh My Love」のような美しい楽曲や自分のことを“ただの嫉妬深い男”と表現する「Jealous Guy」、自身の生き様を綴った「It's So Hard」や「How?」、オノ・ヨーコに捧げた「Oh Yoko!」といったプライベートな楽曲も多く含まれている。さらには当時不仲だったポールへ向けた痛烈な批判が歌詞に込められた「How Do You Sleep?」のような曲まである(しかもその曲に、かつての盟友ジョージ・ハリスンやリンゴ・スターを迎えているあたりにも、ジョンの性格が表れていて面白い)。〈想像してごらん、争いのない世界を〉を歌う男が、同じ作品の中でかつての仲間を攻撃する。この矛盾こそ、実はもっともジョン・レノンという男らしいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
聖人君子のような扱いを受けるけど、全然そんなことはないし、むしろ「Jealous Guy」のような側面があったり、「Oh My Love」でのロマンチシズムも持っていたり、「How Do You Sleep?」なんて人としての未熟さもストレートに表してしまう。この人間臭さに自分は惹かれるし、半分呆れつつも嫌いになれない。気づけばこのアルバムとも30年以上もの付き合いになるわけですが、ジョンのことを深く知れば知るほど、このアルバムの感じ方もその都度変わっていったわけです。
ちなみに今、僕がジョンのソロ楽曲の中で一番好きな1曲を挙げろと言われたら、迷わず「Oh My Love」を選ぶと思います。年取ると、どんどん保守的になるんですかね(苦笑)。
自分がこの世に生を受けた1ヶ月後に発売されたこのアルバム。今後も人生の節目のたびに、接していきたいと思います。
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