FATE『A MATTER OF ATTITUDE』(1986)
デンマーク出身のハードロックバンドFATEが1986年秋に発表した2ndアルバム。このバンド、メンバーのハンク・シャーマン(G)が元MERCYFUL FATEのリードギタリストということで、バンド名のFATEも元いたバンドから一部拝借したものなんですね。MERCYFUL FATEというとキング・ダイアモンド(Vo)のイメージが強く、特に初期はブラックメタルのイメージもあったかと思います。
そのバンドでギターを弾いていた人間が新たに結成したこのバンド。メジャーのEMI / Capitol Recordsと契約していたという事実もすごいですが、この2枚目のアルバムで聴かせるその音も衝撃的です。
僕は当時、ラジオでオープニングナンバー「Won't Stop」を聴いてこのバンドの存在を知ったのですが、当然上記のような知識は一切ない中高生でしたので、普通に「EUROPEを能天気にしたようなバンドだな」くらいの印象しかありませんでした。いや、それ褒めているんですよ? ぶっちゃけ、このアルバムは日本盤も発売されていましたが、メタルに弱い田舎のCD屋には並ぶこともなく、FMからエアチェックしたカセットでひたすらこの1曲だけを聴きまくったものです。
で、最近Spotify上をサーフしていたら、このバンドにたどり着き「あ、いたいた!」と懐かしがってこの2作目を聴いてみたのでした。
「Won't Stop」は本作中でもっとも異色のアレンジ/曲調でした。ソロになるとやっとギターが目立つアレンジが、どこかVAN HALENの「Jump」を彷彿とさせますが、要は同曲や当時すでにヒットしていたEUROPEの「The Final Countdown」に影響されてシンセメインのポップな楽曲に挑んでみたんでしょうね。ま、僕みたいな人間がそこに釣られたのですから、あながち失敗でなかったようです。
というわけで、このアルバムの真の魅力は2曲目から。北欧のバンドらしく、マイナーキーを軸にした哀愁味の強いメロディアスハードロックが展開されていきます。バンドの編成にはシンセは含まないものの、レコーディングにはこれでもか!というくらいにシンセを多用。これが厚みのあるコーラスとともに良い味付けになっているんです。3曲目「(I Can't Stand) Losing You」や6曲目「Summerlove」なんて、ぶっちゃけ名曲じゃないですか?
なんて思っていると、後半には軽快なアメリカンロック調の「Farrah」や「Get Up And Go」を筆頭に、メジャーキーの曲がずらりと並ぶ。このバランス感、嫌いじゃないです。しかも、ラストにお遊びっぽい「Do It」まである。ああ、VAN HALENを北欧感覚でやろうとするとこうなるのかな、なんて思ったりして。
作品的にはハンク脱退後に発表された4thアルバム『SCRATCH 'N SNIFF』(1990年)の評価が高いようですが、ポップサイドに振り切ったこの2ndアルバムも素敵だと思います。ビバ!産業ハードロック。
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