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2018年8月31日 (金)

FOO FIGHTERS『ONE BY ONE』(2002)

前作『THERE IS NOTHING LEFT TO LOSE』(1999年)をデイヴ・グロール(Vo, G)、ネイト・メンデル(B)、そして新加入のテイラー・ホーキンス(Dr)の3人で制作し、ツアーを前にクリス・シフレット(G)が加わったことで現在まで続くベースの4人が揃ったFOO FIGHTERS。『THERE IS NOTHING LEFT TO LOSE』を携えたツアーを経て、この4人で初めて制作したのが、2002年10月発売の4thアルバムです。

プロデューサーに前作を手がけたアダム・カスパー(SOUNDGARDENQUEENS OF THE STONE AGEPEARL JAMなど)と、ニック・ラスクリネクツ(ALICE IN CHAINSKORNMASTODONなど)、そしてバンド自身がクレジットされている本作は、FOO FIGHTERS史上もっともヘヴィな1枚と言えるでしょう(もっとも、カスパー・プロデュース曲は「Tired Of You」1曲にとどまり、残りは当初からエンジニアとして携わってきたラスクリネクツとバンドの手によるもの)。

冒頭の「All My Life」から「Low」への流れは、硬派なハードロックをイメージさせるサウンドで、とてもグランジシーンから生まれたバンドとは思えないほど。従来の彼ららしい「Have It All」や「Time Like These」みたいにメロディアスな楽曲もしっかり含まれているものの、全体のトーンは非常にシリアスでヒリヒリした感覚で覆われています。

実は彼ら、このレコーディング中にもメンバー間での衝突があり、一時は解散寸前にまで追い詰められたそう。しかし、そういった困難を乗り越えた末にこのアルバムにたどり着く。大半の楽曲はその後レコーディングし直されたそうで、そういうタフな状況良い意味でバンド内の緊張感が伝わる攻めの作風へと昇華させた。そう考えると、この方向性はしかるべきものなのかもしれません。

もちろん、ここで展開されるスタイルは以降のアルバムにも反映されており、現在のスタジアムロックテイストはここから始まったといっても過言ではないわけです。ここまでくると、もはや「元NIRVANA」の肩書きは必要ないし、むしろあの頃グランジを毛嫌いしていたHR/HMファンにこそ率先して聴いてほしい、強力なアメリカンハードロックアルバムではないでしょうか。

本作はこの時点で過去最高となる全米3位を獲得。過去3作同様にミリオンセールスを記録し、「All My Life」(全米43位)、「Time Like These」(全米65位)というスマッシュヒットシングルも生まれています。さらに、2003年の来日公演では神戸ワールド記念ホール、幕張メッセという大会場でのライブも実現。本作は名実ともにトップバンドの仲間入りを果たす、起死回生の1枚となりました。

ちなみに、本作にはQUEENブライアン・メイが「Tired Of You」にギターで、デイヴとのNIRVANA時代の盟友クリス・ノヴォセリックが「Walking A Line」にコーラスで、デイヴ・リー・ロスのバンドで知られるグレッグ・ビソネットが「Danny Says」にドラムでゲスト参加。次作『IN YOUR HONOR』(2005年)の片鱗を、早くもここで見せています。

 


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