DISTURBED『THE SICKNESS』(2000)
海外で2000年3月、日本では同年6月に発売されたDISTURBEDのデビューアルバム。同年10月にリリースされたLINKIN PARKのデビュー作『HYBRID THEORY』とともに、当時“ニューメタル”と呼ばれたシーンを飛躍させた立役者的作品で、全米29位まで上昇、現在までにアメリカだけで500万枚を超える売り上げに達しています。
プロデュースを手がけたのは、ENUFF Z' NUFFやMACHINE HEAD、DROWNING POOLなどに携わってきてジョニー・K。今でこそヘヴィ系ではおなじみの名前ですが、意外にもこの手のバンドのプロデュースを担当したのは本作が初めてだったようです(それまではエンジニアとして関わるのみ)。本作が出世作となり、その後引き手数多な存在になったのでしょうね。
LINKIN PARKや、それ以前にヒットを飛ばしていたLIMP BIZKITのようにDJ(ターンテーブル)を含む編成ではない、正統的な4ピースバンドなのですが、それでも彼らが時代にフィットしたのはデヴィッド・ドレイマン(Vo)による“パーカッシヴな発声スタイル”と“しっかり歌えるフロントマン然とした佇まい”、そして旧来のHR/HMと90年代以降のグランジ、そしてヘヴィロックを通過した、個性的ながらも安定感の強い楽曲によるものが大きかったと思います。
直線的/タテ揺れの音楽性ではなく、あくまでヨコ揺れ。そこがアメリカ的だけど、オーソドックスなHR/HMとはどこか違う。だけど、聴けばそのヘヴィなサウンドはHR/HMと呼んでも問題ない。SYSTEM OF A DOWN、あるいはそれ以前のKORNにも通ずる個性的な歌唱スタイルは、そういったヨコ揺れな楽曲にとって良いアクセントとなる。そりゃあアメリカでウケるわけだ。しかも、ライブを観ればスタジアム映えするし。2002年だったか、彼らがサマソニで来日した際、そのパフォーマンスに圧倒された記憶が今でも鮮明に残っています(観客のウケは正直そこまで大きなものではなかったけど)。
とにかく冒頭4曲の流れが完璧。これだけでも聴いてもらいたいし、80年代のMTV世代にはTEARS FOR FEARSの名曲カバー「Shout」にもぜひ触れてほしい。彼らはその後も往年のヒットソングをカバーしているけど、その原点がこれなんですよね。
ニューメタルという単語に嫌悪感を示すHR/HMファンがいまだに残っているのかわかりませんが、あれから20年近く経った今だからこそ改めて触れてみてもいいんじゃないでしょうか。問答無用でカッコいいので、ぜひ大音量で、体を揺すりながら聴いてもらいたいです。
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