HALESTORM『VICIOUS』(2018)
オリジナルアルバムとしては前作『INTO THE WILD LIFE』(2015年)から3年3ヶ月ぶりとなる、HALESTORM通算4作目のスタジオアルバム。プロデューサーは前作のジェイ・ジョイスから、最新カバーEP『REANIMATE 3.0: THE COVERS EP』(2017年)を担当したニック・ラスクリネクツ(ALICE IN CHAINS、MASTODON、KORNなど)に交代。EPでの仕事ぶりに好印象を受けた結果がこの新作に反映されているということなのでしょう。
作風は基本的に『INTO THE WILD LIFE』の延長線上にあるのですが、自分が想像していた以上にタフさ、ヘヴィさが際立つ1枚に仕上がった印象があります。実は前作をリリース当時に聴いたとき、そこまで強く惹きつけられず、数回聴いてしばらく放ったらかしだったのですが、今回はリード曲「Uncomfortable」からグッと惹きつけられ、リリースの1ヶ月近く前から取材用に聴いたアルバムサンプルでさらにグッと惹きつけられ、結果「これはなかなかな1枚!」とかなりお気に入りだったのです。このバンドのアルバムでここまで聴き込みまくったのは初めてってくらいに。
ヘヴィさが印象的ながらも、同時にメロディの冴え渡りぶりも前作以上。だからなのか、演奏がどれだけ重々しくなろうと、軸にあるものは非常にキャッチーだと思えてくる。そういった点から、昨今のモダンなラウドロックよりも80年代のHR/HM黄金期のそれに近く、我々オッサン世代にも引っかかるものが多々あるのでは、なんて思うのです。でも、もしかしたら若い世代にはこれ以前の作品のほうが引っかかるのかな。そのへんの意見、ぜひ各世代に聞き回りたいものです。
また、5曲目「Do Not Disturb」あたりを筆頭に、「Conflicted」「Killing Ourselves To Live」「Heart Of Novocaine」といった中盤に配置された楽曲群がかつてないほどにドラマチックな展開を見せており、そのあたりにHALESTORMとしての新境地も見え隠れしています。冒頭のヘヴィさといい、この展開といい、個人的にはこのバンド、まだまだ伸びしろ十分だなと思うのですが、どうでしょう? このバンドらしさをしっかりと残しつつも、新たな地点へと毎回到達でいているという意味では、作品ごとに異なるカラーをしっかり提示できている。そこもこのバンドの凄みなのかなと思いました。
とにかく今は、早くライブで聴きたいなと。そういうアルバムではないでしょうか。こういうアルバムに出会うと「アメリカの HR/ HMシーン、まだまだ捨てたもんじゃないな!」と、改めて実感します。ロック不毛と言われる時代だからこそ、思いっきり売れてほしい!
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