LIAM GALLAGHER『AS YOU WERE』(2017)
リアム・ギャラガー、つい数日前まで来日公演を行ってましたね。昨年8月のサマソニ以来で、あのときはフェスと東京での単発ライブのみ(こちらは行きました)、しかもアルバム発売前だったから、これが初の本格的なジャパンツアー。直前になって13日の武道館公演(なんと、1998年のOASIS以来20年ぶり!)に行こうかなと思ったら、なんとその日は夜からインタビュー。仕方ないよね、そういうこともあるか。
というわけで、今日は昨年のリリース時に取り上げ忘れていたリアム初のソロアルバム『AS YOU WERE』を紹介します。
2017年10月にリリースされた本作は、OASIS〜BEADY EYEを経て届けられた正真正銘の初ソロアルバム。BEADY EYE時代に成し遂げられなかった全英1位を見事獲得しております(アメリカでも最高30位にランクイン)。「Wall Of Glass」(全英21位)を筆頭に、「Chinatown」(同56位)、「For What It’s Worth」(同33位)、「Gready Soul」(同56位)と、OASIS時代ほどではないものの、それなりにヒットシングルも生まれています。
THE BIRD AND THE BEEのグレッグ・カースティン(アデル、リリー・アレン、FOO FIGHTERSなど)、そしてダン・グレック・マーグエラット(THE VACCINES、ラナ・デル・レイ、KEANEなど)、アンドリュー・ワイアット(カール・バラー、デュア・リパ、ロードなど)といったヒットチャートを賑わすアーティストの楽曲を手がけるプロデューサー陣と、ソングライティング含め本格的にタッグを組んだ本作は、一聴すると似通ったテンポ感で単調に思えますが、聴き込むと1曲1曲の作り込みがしっかりしていることに気づかされる、玄人好みの力作に仕上げられています。
もちろん、“OASISのリアム”の幻影を追い求める人もある程度納得させるだけのポテンシャルは保たれています。さすがにアッパーでドーピングマシマシ感の強いアップチューンは皆無ですが(一番それに近いのが、デラックス版のみ収録の「Doesn't Have To Be That Way」程度)、ミディアムテンポで独特のグルーヴ感でじわじわ攻めるロックチューンや、男臭さ満載で涙腺を刺激するスローナンバーで“OASISのリアム”の幻影を楽しむことができるはず。いや、それ必要なのかなぁ……と個人的には疑問なんですが(どうせライブではOASISの楽曲を披露するんだから)。
そういった楽曲でさえも、モダンなサウンド&トラックメイキングで現代的なポップスへと昇華されている。ずっと同じ場所で戦おうとせず、しっかりポップシーンのど真ん中に飛び込んでいこうとする姿勢はさすがだなと思います。デビュー作としても及第点だと思いますし、あとはOASIS時代並みにとはいわないまでも、今の時代のど真ん中をえぐるような名曲がひとつでも欲しいところ。この人はそういう歌を歌ってこそ、生き生きとするシンガーなんだから。地力がダメなら、一緒に時代を作れるソングライターとどんどんタッグを組むといい。それがノエル・ギャラガーを失った今のあなたにしかできないことなんだから。
別にOASIS再結成は望まないけど(したらしたで嬉しいか)、バンドを2つ潰して最後の砦=ソロにたどり着いたんだから、ぜひでっかい成功を収めてほしいものです。次は本作以上の“傑作”に期待してます。
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