« THE OFFSPRING『AMERICANA』(1998) | トップページ | ELLIOTT SMITH『XO』(1998) »

2018年9月 8日 (土)

BRYAN ADAMS『ON A DAY LIKE TODAY』(1998)

1998年10月発売の、ブライアン・アダムス通算8枚目のスタジオアルバム。プロデューサーにブライアン本人のほか、ボブ・ロック(METALLICAMOTLEY CRUEBON JOVIなど)、フィル・ソーナリー(元THE CURE、元JOHNNY HATES JAZZ。ナタリー・インブルーリアなどをプロデュース)、フィル・ウェスターン(バンクーバー出身のミュージシャン)と複数迎えて制作された意欲作です。

前作『18 TIL I DIE』(1996年)で“死ぬまで青春”を宣言したブライアン。実際、大ヒット作『RECKLESS』(1984年)以降の作品は『INTO THE FIRE』(1987年)を除き、ほぼすべて“死ぬまで青春”を地でいくスタイルを貫いてきました。が、この『ON A DAY LIKE TODAY』はそこから一転し、非常に内省的な作風を貫いています。

そう、上に挙げたボブ・ロックやフィル・ソーナリーといった大御所が携わっているのに、地味で静かなんです。思わず「どうした、何かあった? 疲れたの?」と聞きたくなるくらいに。

オープニングの「How Do Ya Feel Tonight」からして、声を張り上げることなく、囁くように歌うブライアン。それは続く「C'mon C'mon C'mon」やタイトルトラック「On A Day Like Today」まで変わらず、アコースティックベースのゆったりとしたミディアムテンポが続くわけです。

これ、1998年という時代性を考えると非常に納得いくと思うんですが、当時ブライアンが活動の基盤を置いていたのはカナダではなくイギリス。そう、OASISRADIOHEADといったバンドがメガヒットを飛ばしていたタイミングなんですね。それこそ、THE VERVEもそうだし、BLURもそう。なんて考えると、ブライアンがこのスタイルに挑んだとしても不思議ではないわけです。

ただ、個人的にはボブ・ロックとの組み合わせからBON JOVIの『KEEP THE FAITH』(1992年)的な作品を期待していたんですが……(苦笑)。

ミディアムテンポの5曲目「Fearless」あたりでようやくシャウトが飛び出したりするものの、彼らしい溌剌としたロックナンバーは11曲目「Before The Night Is Over」まで登場しません。続く「I Don't Wanna Live Forever」もアップテンポのポップロックですし、中盤には軽やかな「When You're Gone」(SPICE GIRLSのメラニー・Cとのデュエット曲)もありますが、こういったロックチューンはこの程度。あとはひたすら地味で、ひっそり楽しむのがお似合いな楽曲ばかり。『INTO THE FIRE』ともまた違った“大人の雰囲気”を漂わせていますが、10年周期でこういう作品って作りたくなるものなんですかね?

ここまでネガティブなことも書いてきましたが、ただアルバムのクオリティは非常に高いものだと思います。曲順にやや難あり(似たようなテンポが続く、アップテンポが終盤に固まっている、など)ですが、ブライアン・アダムスのバラードサイドが大好物というリスナーなら間違いなくハマる1枚だと思います。

ちなみに本作、アメリカでは最高103位と大コケ。本国カナダでは3位、イギリスでも過去2作の1位には及ばない11位止まり。ただ、イギリスでは「When You're Gone」が3位のヒットを記録しています。



▼BRYAN ADAMS『ON A DAY LIKE TODAY』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

投稿: 2018 09 08 12:00 午前 [1998年の作品, Bryan Adams] | 固定リンク