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2018年9月17日 (月)

MONSTER MAGNET『MINDFUCKER』(2018)

2018年3月に発表された、MONSTER MAGNET通算10作目のオリジナルアルバム。前作『LAST PATROL』(2013年)から4年半ぶりとだいぶ間が空いたように思えますが、その間には『LAST PATROL』の再構築アルバム『MIKING THE STARS: A RE-IMAGINING OF LAST PATROL』(2014年)や、前々作『MASTERMIND』(2010年)の再構築アルバム『COBRAS AND FIRE (THE MASTERMIND REDUX)』(2015年)が立て続けに発表されているので、実はそこまで空いた感がないという。

プロデュースは前作同様、メンバーのデイヴ・ウィンドルフ(Vo, G)とフィル・カイヴァーノ(G)が担当。コ・プロデューサーとしてモーガン・ストラットン(WOLFMOTHER、BIFFY CLYRO、ノラ・ジョーンズなど)とジョー・バレッシ(MELVINS、QUEENS OF THE STONE AGECLUTCHCOHEED AND CAMBRIAなど)の名も連ねられており、ジョー・バレッシはミックスも担当しております。

まあ、そんなデータはどうでもいい話ですが(苦笑)、内容ですよね。

実は、MONSTER MAGNETのアルバムをまともに聴くのって、2000年代前半以来なんですね。それこそ、アルバムで言ったらメジャー時代最後の『GOD SAYS NO』(2001年)が最後かもしれない。それくらい彼らに対して積極的なリスナーではなかったですし、ぶっちゃけ『DOPES TO INFINIGY』(1995年)と『POWERTRIP』(1998年)と『GOD SAYS NO』ぐらいしかまともに聴いたことがない、そんな浅いリスナーであることを最初にお断りしておきます。

「ハードロックと21世紀のパラノイアを祝う作品」と謳われている本作ですが、基本的な路線はそこまで変わっていないのかなと。埃っぽくてブルージー、どこかサイケデリックなハードロック。ストーナーロックってことでいいんだろうけど、本作からはもっと直線的な印象も受けます。王道感といいましょうか……良くも悪くもド直球。それを「肝が座っていてカッコいい」と受け取るか「2018年にしては古臭い」と切り捨てるかで、本作に対する評価も大きく変わりそうな気がします。

また、本作ではHAWKWINDのシンガーだったロバート・キャルバート(1988年死去)のカバー「Ejection」も収録。この選曲もストレートすぎて、笑ってしまうといいますか。まあ、それでこそ彼らなんでしょうけどね。

そういえば、オリジナルアルバムとしては本作から初めてクリス・コスニック(B/ex. GODSPEED、現THE ATOMIC BITCHWAX)が参加。2004年に加入したボブ・パンテラ(Dr)も現在までTHE ATOMIC BITCHWAXと活動を兼任しているようですし、そのへんの影響も強くなっているのかもしれません。そういえば、THE ATOMIC BITCHWAXにはエド・マンデル(G/1992年から2010年までMONSTER MAGNETに在籍)も過去に参加していたので、このへんの交流をいろいろ調べていくと、サウンドの微妙な変化にも気づけるのかもしれません。

個人的評価としては、「肝が座っていてカッコいい」と「2018年にしては古臭い」の中間なんですよね……やっていること自体決して新しくはないし、だけど首尾一貫しているところはカッコよくて、そもそもこのサウンド/スタイル自体は嫌いじゃない。まあ、彼らに革新的なものを求めること自体が間違いだし、頭空っぽにして素直に楽しめばいいだけなんですけどね。

あ、ラストの「When The Hammer Comes Down」はBLACK SABBATHっぽくてかなりお気に入りです。途中の節回しや歌声もまんまオジー・オズボーンですし(笑)。このへんに、彼らのファン気質が感じられて、ちょっと嬉しかったりして。



▼MONSTER MAGNET『MINDFUCKER』
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