SUICIDAL TENDENCIES『STILL CYCO PUNK AFTER ALL THESE YEARS』(2018)
前作『WORLD GONE MAD』(2016年)からちょうど2年ぶりに発表された、SUICIDAL TENDENCIESの通算13枚目となるオリジナルアルバム。前作から加入したデイヴ・ロンバード(Dr/ex. SLAYER、DEAD CROSSなど)が叩く2枚目のアルバムとなります。本作の前には、今春に10曲入りEP『GET YOUR FIGHT ON!』が発売されており、そちらには本作にも収められている「Nothin' To Lose」が先行収録されています。
このアルバムは、マイク・ミューア(Vo)が1996年にCYCO MIKO名義でリリースしたソロアルバム『LOST MY BRAIN! (ONCE AGAIN)』を現メンバーでリメイクしたもの。基本的にはオリジナルに近いアレンジで、軽いサウンドメイクと疾走感が気持ちよかったオリジナル版に、デイヴ・ロンバードのドラミングにより重さが加わり、よりハードコア感が増したような印象を受けました。
また、オリジナル版がプロジェクト色の強いものだったこともあり、今回のリメイク版はよりバンド感が増しているのも特徴。そのへん、本作にはこの布陣ならではのタイトさも表れており、どちらが好きかと尋ねられたら迷わず今回のリメイク版を挙げることでしょう。
また、本作は完全リメイクというわけではなく、「Ain't Mess'n Around」は未収録(こちらのみEP『GET YOUR FIGHT ON!』にリメイク版が収録されています)。また、オリジナル版では「Cyco Miko Loves You」というタイトルだった楽曲がバックトラックはオリジナルの雰囲気を再現しつつ、歌詞とメロディラインを変え、「Sippin’ From The Insanitea」と題して収録されています。
本作に対して、マイク・ミューアはこんなコメントを残しています。
「デイヴ・ロンバードがSUICIDAL TENDENCIESにいる今、SUICIDAL TENDENCIESのレトロではないモダンなサイコ・パンク・レコードとして、このアルバムはリリースされなくてはならない。何年もの間、俺はこのアルバムの曲が好きだった。おそらく、30才であった当時より、今のほうが俺はこのアルバムの曲が好きだ。そして皮肉なことに、SUICIDAL TENDENCIESの作品ではなかったアルバムが俺をよりSUICIDAL TENDENCIESにした」
前作『WORLD GONE MAD』ではメタリックな楽曲も含まれており、曲によっては6分もあったりと持ち前のミクスチャー感を全面にアピールしていましたが、今作はそういうわけでど直球のパンク/ハードコア。そんななので、全11曲で41分というトータルランニングになっています。これ、10曲入りだった前のEP(45分)より短いんですけどね。まあ、潔くて良いじゃないですか。
まあ、これをデイヴ・ロンバードがいる編成でやらなくてもいいじゃないか……という声も聞こえてきそうですが、これはこれで楽しいのでよろしいのでは。何も考えずに楽しめる1枚ですし。
なお、本作のレコーディングをもってジェフ・ポーガン(G)が脱退。ツアーには昨年解散した THE DILLINGER ESCAPE PLANのベン・ワインマンが参加するそうです。それはそれで見てみたいぞ。

▼SUICIDAL TENDENCIES『STILL CYCO PUNK AFTER ALL THESE YEARS』
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