LITTLE ANGELS『YOUNG GODS』(1991)
1991年春にリリースされた、LITTLE ANGELSの2ndフルアルバム。
プロデュースを担当したのはジェイムズ・“ジンボ”・バートン(ゲイリー・ムーア、QUEENSRYCHE、スティーヴ・ペリーなど)とアンディ・ジュリアン・ポール(元SKIN組によるb.l.o.w.など)が担当し、「Boneyard」(全英33位)、「Product Of The Working Class」(全英40位)、「Young Gods (Stand Up, Stand Up)」(全英34位)、「I Ain't Gonna Cry」(全英26位)といったヒットシングルを多数生み出しました。アルバム自体も全英17位という好成績を残しており、彼らの出世作と呼べる1枚となっています。
メジャーデビューフルアルバム『DON'T PREY FOR ME』(1989年)の頃は“イギリスからのBON JOVIへの回答”的な触れ込みもあったような記憶がありますが、それはサウンドがポップでライトなハードロックだったこと、編成が同じ5人組だから、というのも大きかったのかもしれません。
ですが、この2枚目のアルバムではそういった比較は馬鹿馬鹿しいぐらい、彼ららしいオリジナリティとイギリスのバンドとしてのアイデンティティを掴み取った、そんな印象を受けます。とはいえ、ミックスはアメリカでスティーヴ・トンプソン&マイケル・バルビエロ(GUNS N' ROSES、METALLICA、マドンナ、デヴィッド・ボウイなど)に任せているので、うまい具合に英米の良いところをミックス……なんて思惑もあったのかも(アメリカでの成功はレーベル側の思惑かもしれませんが)。
アップテンポのハードロック「Love Is A Gun」や派手なブラス系シンセのリフがいかにもな「Natural Born Fighter」など前作の延長線上にある楽曲含まれているものの、基本的にはミディアムテンポのロックンロールやポップロックをメインとした作風。そのミディアムの中でも若干アップめ、若干スローめというふうに強弱を付け、聴き手を飽きさせない工夫が施されています。
オープニングの「Back Door Man」からグルーヴィーな「Boneyard」への流れ、軽やかなアコースティックギターが心地よい「Young Gods (Stand Up, Stand Up)」、泣きのギターフレーズが涙腺を刺激するバラード「I Ain't Gonna Cry」と、この冒頭4曲を聴いただけで、前作以上の完成度かつオリジナリティに驚かされるはずです。
また、「Young Gods」や「Product Of The Working Class」「The Wildside Of Life」などではブラスセクションも導入され、そのへんが一介のハードロックバンドとは異なることを感じさせます。キーボーディストもピアノを中心にした音作りで、独特のグルーヴ感を生み出しているし、ところどころに入るボーカルの高音シャウトやギターの速弾きが入らなかったらTHE QUIREBOYSをもっと派手にしたようなイメージ止まりで、ハードロックバンドだとは思わないんじゃないでしょうか(それが良いか悪いかは別として)。
あ、僕は大好きですよ、このアルバム。ただ、日本盤はボーナストラック3曲追加で、トータル68分と長いのが玉に瑕ですが。日本国内ではApple Musice、Spotifyどちらもストリーミング配信されていないのが残念極まりない(海外では配信されています、念のため)。
ここでの成功があったからこそ、彼らは次作『JAM』(1993年)でさらなる“深化”の道をたどり、全英1位を獲得することになるのですが、それはまた別の機会に。
▼LITTLE ANGELS『YOUNG GODS』
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