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2018年10月10日 (水)

THE ROLLING STONES『BRIDGES TO BABYLON』(1997)

1997年9月にリリースされたTHE ROLLING STONESの21stアルバム(イギリスにて。アメリカでは23枚目のアルバム)。全英6位、全米3位という好成績を残し、アメリカでは100万枚を超えるセールスを記録したほか、「Anybody Seen My Baby?」(全英22位)、「Saint Of Me」(全英26位、全米94位)、「Out Of Control」(全英51位)といったシングルヒットを生み出しました。

産業ロック的な『STEEL WHEELS』(1989年)から『VOODOO LOUNGE』で原点回帰。ビル・ワイマン(B)というオリジナルメンバーを欠きながらも、レコーディング&ツアーメンバーとしてダリル・ジョーンズ(マイルス・デイヴィスのバンドや、スティングの1stソロツアーに参加)が加わったことで「クセは弱いけど安定感の強いロック&ソウルバンド」へと進化しました。そこから続くこの『BRIDGES TO BABYLON』では、『VOODOO LOUNGE』でのスタイルに当時主流だったダンスミュージックやデジタルサウンドを加えた革新的なものとなっています。

プロデュースは前作『VOODOO LOUNGE』(1994年)から引き続きドン・ウォズ&THE GLIMMER TWINS(ミック・ジャガーキース・リチャーズ)という安定の布陣に、ダニー・セイバー(マドンナデヴィッド・ボウイU2オジー・オズボーンKORNなど)、THE DUST BROTHERS(ベックBEASTIE BOYSサンタナヴィンス・ニールなど)、ロブ・フラボニ(ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、THE BEACH BOYSなど)、ピエール・ド・ビューポート(キースのギターテック)といったモダンなプロデューサーとトラディショナルな面々が多数参加。こうして1枚のアルバムに多数のプロデューサーが参加するのはストーンズ史初のことで、曲ごとに変化をつけるという新たな試みが施されています。

それは演奏面にも言えることで、例えばオープニングの「Flip The Switch」や11曲目「Too Tight」ではアップライトベースを導入。モダンな色合いが濃い「Anybody Seen My Baby?」や「Out Of Control」ではサンプリングを導入したり、「Saint Of Me」では打ち込みのダンスビートを同期させたブリットポップ的手法が採られている(この曲ではベースをミシェル・ンデゲオチェロがプレイ)。「Might As Well Get Juiced」にもそれっぽいシンセがフィーチャーされていたりと、まあミックらしさに満ち溢れているんですよね、このアルバム。

かと思うと、キースVo曲が史上最多の3曲(「You Don't Have To Mean It」「Thief In The Night」「How Can I Stop」)も収録されている。そう考えると、トータル性重視というよりはそのときにやりたいことをいろいろ詰め込んだ実験作と言えなくもない。実際、トータルバランスは近作の中では一番バラバラですしね。

だけど、今でも演奏される頻度の高い「Out Of Control」が含まれているという点においては、バンドにとって無視できない1枚なのかもしれません。

にしても、このアルバムから次のスタジオアルバム『A BIGGER BANG』(2005年)まで、まさか8年もブランクが空くなんて当時は思ってもみませんでしたよ。視点を変えたら、ここでいろいろやり尽くした感も強かったのかもしれませんが……。



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投稿: 2018 10 10 12:00 午前 [1997年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク