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2018年10月25日 (木)

MUDHONEY『DIGITAL GARBAGE』(2018)

MUDHONEYによる通算10作目のオリジナルアルバム。前作『VANISHING POINT』から5年ぶりの新作にあたり、今年結成30周年&リリース元であるSub Pop Recordsの設立30周年を祝う記念すべき1枚でもあります。

グランジ創世記から現在まで活動を続ける彼らですが、本作でも良い意味でなんら変わりない、あの頃のままのローファイなガレージロックを展開しています。

もちろん、当時にはなかったような味付けも本作には加えられており、例えばそれが「Please Mr. Gunman」で聴けるピアノであったり、リードトラック「Kill Yourself Live」で大々的にフィーチャーされたオルガンであったり、「21st Century Pharisees」を包み込むシンセであったりと、こういった味付けが不思議とポップさを際立てているんだから、本当に興味深い。

確かに初期の頃にあったアグレッシヴさや衝動性はここにはないのかもしれません。そういう点においては「なんら変わりない」というのは嘘になってしまいますが、でも聴けばMUDHONEYの作品だとわかるそのスタイルは、「Touch Me I'm Sick」から30年経った今も変わっていない。あの頃から維持している部分もしっかり残しつつ、人間としてもミュージシャンとしても成長した部分もしっかり感じられる。30年間で10枚と、キャリアのわりにリリースされたアルバムは少ないものの、だからこそ1枚1枚に凝縮されたエキスは濃いのです。

全11曲で34分と、昨今のロックアルバムの中でも比較的短い部類に入る本作ですが、だからといって聴きやすくてコンパクトというわけではない。この短さの中に30年の積み重ねがしっかり凝縮されているし、へたに60分以上あるロックアルバムよりも何倍も濃度が高い、極上の1枚だと個人的には感じています。

にしても、『DIGITAL GARBAGE』ってタイトル、最高じゃないですか? 結成30周年の節目に出すアルバムにこんなタイトルを付けるあたりも、いかにも彼ららしい。歌詞も実際に起きた最近の事件にインスパイアされたものから世の中の風潮を捉えたものまで存在する。マーク・アーム(Vo, G)は本作について「僕は物事を多少なりとも普遍的なものにしようとしてるんだ。だから、このアルバムのサウンドは今風には聴こえない。一方、(普遍的と言っても)ここに収録された曲は将来、消え去ってしまうことを望むよ。『おい、このアルバムの歌詞は今でも健在だよな』、なんて将来言いたい人はいないからね」とコメントしていますが、そういった意味では2018年ならではの内容と言えるのかもしれませんね。



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