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2018年10月 3日 (水)

FLOTSAM AND JETSAM『NO PLACE FOR DISGRACE』(1988)

1988年5月にリリースされた、アメリカ・アリゾナ州出身のスラッシュメタルバンドFLOTSAM AND JETSAMの2ndアルバム(日本では同年7月発売)。Elektra Recordsからのメジャー1作目となり、全米143位を記録する小ヒット作となりました(とはいえ、Elektraからのリリースは本作のみ。1990年の次作『WHEN THE STORM COMES DOWN』よりMCA Recordsからのリリースとなります)。

このバンドは当時METALLICAに加入したジェイソン・ニューステッド(B)が以前在籍していたバンドということで知られており、メジャー契約もそのへんの流れがあったのかなという気がします(ジェイソンの後任で加入したトロイ・グレゴリーはMETALLICAのラーズ・ウルリッヒの推薦だったという話もありますし)。

ジェイソンのプレイは1stアルバム『DOOMSDAY FOR THE DECEIVER』(1986年)で聴くことができますが、本作にはその名残といいますか、ジェイソンがクレジットされている楽曲が複数含まれております(「No Place For Disgrace」「N.E. Terror」「I Live You Die」の3曲)。だからといって、それらの楽曲からジェイソンの面影が見え隠れするかと言われたら、まったくそんなことはなく、むしろFLOTSAM AND JETSAMというバンドが前作からどのように進化したかが克明に浮き彫りになっていることが理解できるのではないでしょうか。

この時代ならではの音質には目を瞑るとして、楽曲の質やアレンジの妙、ギターリフの冴え渡りっぷりにはハンパないものがあり、上記のジェイソンの件がなくとも彼らは間違いなくメジャーに進出していたんだろうな、と思わされる内容。1988年という時代性にフィットしたテクニカルなスラッシュナンバーがずらりと並び、54分という長尺ながらも最後まで退屈することなく楽しめます。

オープニングを飾るタイトルトラック(名曲!)を筆頭に、アップダウンの激しいアレンジの楽曲が多い中、メロウなバラード「Escape From Within」、エルトン・ジョンの代表曲を非常に“らしく”カバーした「Saturday Night's Alright (For Fighting)」なども含まれており、本当に聴きどころの多い1枚です。

先に挙げた「I Live You Die」は、のちに発売された『DOOMSDAY FOR THE DECEIVER』再発盤にジェイソン在籍時のデモ音源が追加されているのですが、そのブラッシュアップっぷり、短期間でのセンスの磨かれぶりに驚かされるのではないでしょうか。そういった意味でも、本作はなるべくしてこうなったということが理解できるはず。僕自身、確かにジェイソンきっかけで聴いたバンド/アルバムですが、今もこうやって素直に楽しめるというのは、やっぱりそれだけ魅力的なアルバムだという事実があってこそなんです。

ちなみに本作、2014年には発売25周年を記念した再録アルバムもリリースされています。オリジナル版に参加したメンバーのうち、ベーシスト以外は当時のメンバーのままで、新たにバイオリンやマンドリンなどが加わったパートがあるものの(笑)、オリジナル版よりも良い音質と安定感のある演奏を楽しめるので、聴き比べてみるのも面白いと思いますよ。



▼FLOTSAM AND JETSAM『NO PLACE FOR DISGRACE』
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投稿: 2018 10 03 12:00 午前 [1988年の作品, Flotsam And Jetsam] | 固定リンク