ASH『ISLANDS』(2018)
2018年5月にリリースされた、ASH通算7枚目のオリジナルアルバム。純粋なオリジナルアルバムとしては8年ぶりだった前作『KABLAMMO!』(2015年)から3年ぶりの新作となる本作は、デビューから5thアルバム『TWILIGHT OF THE INNOCENTS』(2007年)まで在籍した古巣Infectious Recordsに復帰しての意欲作で、プロデュースはメンバーのティム・ウィーラー(Vo, G)が担当。全英18位と、4thアルバム『MELTDOWN』(2004年)以来14年ぶりにトップ20入りを果たしました。
『TWILIGHT OF THE INNOCENTS』で“青春の終わり”を具現化したような物悲しさを表現し、続く“A-Z”シングルシリーズ期間にはいろいろと実験を繰り返したASHでしたが、前作『KABLAMMO!』で“青春よ再び”的初期衝動を取り戻し、年齢を感じさせない青臭さと疾走感を伴うパワーポップサウンドで往年のファンを喜ばせてくれました。
ところが、続く本作では前作でのポップネスをより追求した結果なのか、疾走感は二の次といった印象で、どっしりと構えたミドルテンポ〜ミドルアッパーの楽曲で占められています。それ自体は決して悪いことではなく、逆に「前作はなんだったんだ?」って不思議に思うくらい本作は年相応(?)なサウンドに回帰しているのです。
思えばASHって作品ごとの振り幅が強いバンドで、1作目『1977』(1996年)でパンキッシュなパワーポップを展開したかと思えば、続く2作目『NU-CLEAR SOUNDS』(1998年)ではテンポを抑えたポップロックに挑戦。3作目『FREE ALL ANGELES』(2001年)では再び青春感に満ちたパワーポップに回帰したものの、4thアルバム『MELTDOWN』ではメタリックなヘヴィサウンドへとシフトチェンジ……と、常に“前作とは違う方向”を探りながら作品を提供し続けてきたのです。
そういった意味では、前作と今作は軸こそブレていないものの、そのタッチや表現手段は意図的に変えているような、そんな印象を受けます。まあね、“A-Z”シングルシリーズを聴けば、この人たちが如何に多才で多彩かがおわかりいたわけるでしょうし、メロディアスさこそ変わらないものの表現方法が作品ごとに変わるのはもはや恒例行事と言っても過言ではありません。
そこを踏まえて聴いても、本作は非常に良くできたパワーポップアルバムだと思いますし、低迷期を経てもなお「Annabel」や「Buzzkill」「Don't Need Your Love」「Somersault」などのようなキラーチューンを生み出し続けているというその事実に驚かされるというか、頭が下がるわけですよ。
インディロックやブリットポップ、いろんな呼び方があるかと思いますが、僕の中ではASHは常にパワーポップバンドでした。この良作を携えて、11月には待望の来日公演も控えています。前作リリース時にも足を運びましたが、新曲と過去の代表経のバランスが絶妙で、初めて観た人でも一発でノックアウトされるようなステージを展開してくれるはずです。ぜひこの機会に足を運んでみてください。僕もスケジュールが合えば必ず行きます!
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