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2018年10月29日 (月)

TWENTY ONE PILOTS『TRENCH』(2018)

メガヒット作となった前作『BLURRYFACE』(2015年)から3年ぶりに発表される、TWENTY ONE PILOTSの3rdアルバム(自主制作盤を含むと通算5作目)。複数のプロデューサーを起用して曲ごとに変化をつけた前作から一転、本作ではメンバーのタイラー・ジョセフとMUTEMATHのフロントマンであるポール・ミーニーという固定したメンツで制作に臨んでいます。

抜けの良さとわかりやすさに満ちた前作と比較すれば、今作は若干地味で内省的なアルバムに映るかもしれません。とはいえ、オープニングを飾る「Jumpsuit」のゴリゴリなリフは圧巻の一言。が、これまでの彼らだったらこのリフでグイグイ押しまくっていたはずなのですが、本作ではグランジ的な強弱を用いたダイナミックなアレンジが用いられています。ここで「TWENTY ONE PILOTSも大人になったなぁ」と困惑するリスナーも少なくないのではないでしょうか。

その後もヒップホップ調の「Levitate」や「Morph」「My Blood」と、全体的に落ち着いたトーンで展開していくこのアルバム。内省的を通り越してダークさすら感じさせる作風は、ライブでの弾けた彼らのイメージを思い浮かべれば異色の内容に映るかもしれません。

とはいえ、楽曲自体の完成度はさすがの一言で、メロディもしっかり練りこまれて親しみやすい。アレンジにしても隙間の多い音作りながらも、芯がしっかりしているからブレることがない。要所要所からは緻密さすら散見され、もはや圧巻を通り越して狂気すら感じさせるものではないでしょうか。

この独特のトーンのせいで、本来持ち合わせているポップかつキャッチーな側面が薄皮や紗幕で覆われてしまっているような気がしないでもないですが、だからこそじっくり聴き込むとその魅力にズブズブとハマっていく。一見気難しそうだけど慣れるとめっちゃ親しみやすい、そんな1枚なのかなと思いました。

大人になったことで若干トーンは落ち着いたのかもしれないけど、やろうとしていることは実は以前から変わっていない。ただ、その時代その時代に合ったやり方でトライしようとする。そりゃあ2018年の今、『BLURRYFACE』とまったく同じことをやったとしても受け入れられるかどうかわかりませんし、あれは2015〜6年という時代と見事合致したからこその成功だった。そう考えると、本作の持つ意味は現時点よりも1年先のほうがより明確になるのかもしれませんね。

確かに『BLURRYFACE』的な抜けの良い作品を期待していた自分にとって、最初は肩透かしだったのは否めません。しかし、何度も聴き返しているうちにその魅力にハマりつつある。現時点では自分的にいろんな可能性を秘めた1枚みたいです。



▼TWENTY ONE PILOTS『TRENCH』
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投稿: 2018 10 29 12:00 午前 [2018年の作品, Twenty One Pilots] | 固定リンク