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2018年10月21日 (日)

DEF LEPPARD『VIVA! HYSTERIA』(2013)

2013年10月に発売された、DEF LEPPARD通算2作目のライブアルバム(およびライブ映像作品)。前作『MIRROR BALL: LIVE & MORE』(2011年)は直近のオリジナルアルバム『SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE』(2008年)を携えたワールドツアー音源に3曲の新曲を追加した作品でしたが、今作はそのタイトルからもわかるようにバンド史上最大のヒット作『HYSTERIA』(1987年)を完全再現した、ラスベガスのHard Rock Hotel And Casinoでのライブを収めたものです。

ライブは『HYSTERIA』収録曲全12曲を、アルバムの曲順どおりに演奏した本編に加え、「Rock Of Ages」「Photograph」のヒットシングル2曲を披露したアンコール2曲の全14曲。2枚組CDのうち、ディスク1にこの模様がまるまる収録されています。

そして、ディスク2には近年あまりライブで演奏される機会の少なかった楽曲群……1stアルバム『ON THROUGH THE NIGHT』(1980年)期の「Good Morning Freedom」や「Wasted」「Rock Brigade」、2ndアルバム『HIGH 'N' DRY』(1981年)から「Mirror, Mirror (Look Into My Eyes)」や「Another Hit And Run」、さらに「Stagefright」や「Action」「Slang」「Promises」などを演奏した、同ライブのオープニングアクト(DEF LEPPARDがDED FLATBIRD名義で登場)のライブ音源も収録。日本盤のみ、「Now」や「When Love & Hate Collide」「Two Steps Behind」など計5曲を約8分のメドレーで披露したアコースティックセットが追加されています。

リック・アレン(Dr)が交通事故で片腕を失い、それに合わせて制作されたスペシャルなドラムセットを用いてレコーディングされた最初のアルバム『HYSTERIA』。その特徴的なドラムサウンドのみならず、何十、何百にもおよぶオーバーダビングによる重厚なサウンドがあのアルバムの特徴でしたが、ライブではそのマジックが完全再現されるわけではありません。ステージにいる5人だけで表現される『HYSTERIA』の楽曲群は、聴く人が聴けばオリジナル盤よりも薄っぺらくて、迫力が弱いものに成り下がっていると感じるかもしれません。

しかし、あの完璧に作り込まれた作品をここまで生々しくよみがえらせたという点においては、オリジナルとはまた違った楽しみ方ができるというのもあります。ドラムサウンドも1987年当時より技術的に向上しており、幾多のライブを重ねてきた彼ららしいアレンジとプレイの妙技もこの作品ならでは。2本のみで再現されるフィル・コリン(G)&ヴィヴィアン・キャンベル(G)のギターアンサンブルと、キーを半音下げながらもなるべく原曲に忠実に歌おうとするジョー・エリオット(Vo)のボーカル、さらに少ないメンバーで再現しようとするコーラスワークは、そりゃあスタジオワークの重厚さには敵いませんが、この隙間のあるアンサンブルも“ザ・ロックバンド”然としていてカッコいいではありませんか。

個人的に印象に残るのは、実はリック・サヴェージ(B)のベースプレイ。アルバムだとシンセベースに置き換えていたりするものも、ここではベースギターで演奏されているので、この低音が気持ち良かったりするんですよね。

間もなく3年ぶりの来日を果たすDEF LEPPARD。ここ日本でも『HYSTERIA』完全再現が実施されるわけですが、まずはこのライブ作品で予習するもよし。ライブを観た人はここで思い出に浸りつつ、復習するのもよし。スタジオ版とは異なるライブバンドならではの魅力を、ここから感じ取ってもらいたいです。



▼DEF LEPPARD『VIVA! HYSTERIA』
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投稿: 2018 10 21 12:00 午前 [2013年の作品, Def Leppard] | 固定リンク