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2018年11月 3日 (土)

QUEEN『BOHEMIAN RHAPSODY (THE ORIGINAL SOUNDTRACK)』(2018)

11月9日から劇場公開されるQUEENを題材にした映画『ボヘミアン・ラプソディ』のオリジナルサウンドトラックとして、今年10月下旬にリリースされたのが本作。大半がリリース済みの音源ですが、貴重なライブ音源や本作のために制作されたミックスも多数含まれている、新たなコンピレーションアルバムとしても存分に楽しめる1枚となっています。

内容的には映画のストーリーとリンクした作りで、オープニングには20世紀フォックス(同映画の配給先)のファンファーレ(映画のオープニングに流れる、おなじみのアレ)がブライアン・メイ(G, Vo)のギターオーケストレーションにより新録されたトラックが収められています。これだけでもファンはアガるわけですよ。

全22曲中、シングル曲が19曲、さらに世界各国で1位を獲得した楽曲が11曲と、ファンでなくても耳にしたことがある楽曲ばかりではないかと。映画のタイトルとなった「Bohemian Rhapsody」や「Somebody To Love」「Killer Queen」「Another One Bites The Dust」「I Want To Break Free」「Under Pressure」「Who Wants To Live Forever」「The Show Must Go On」は既発のリマスター音源で収録。手軽なベストアルバムとして楽しめる一方で、実はそれ以外のテイクが本作のキモだったりするわけです。

先のファンファーレ含め、未発表/初登場音源が5曲、映像では発表済みながらもこれがオーディオフォーマットで初収録となる音源が6曲。つまり、半数が今のところ本作でしか聴けない音源となります。

例えば3曲目「Doing All Right」はQUEENのデビューアルバム『QUEEN』(1973年)収録曲ですが、本作はQUEENの前身バンドSMILEのバージョンで収録されています。とはいえこれ、実はボーカルや演奏はブライアン、ロジャー・テイラー(Dr, Vo)、そしてSMILEのオリジナルメンバーであるティム・スタッフェル(Vo, B)の3人で本作のために新たに録音したテイク。「Doing All Righ... revisited」というタイトルは、そういう意味なんですね。

また、おなじみの「We Will Rock You」はスタジオテイクとライブテイクをくっつけた、本作のために制作されたバージョン。スタジオで制作してからスタジアムで映える曲にまで成長するという、まるで映画の一場面を観ているような錯覚に陥る新鮮なテイクです。さらに「Don't Stop Me Now」も「revisited」がタイトルに付け加えられているとおり、新たに手が加えられたバージョンです。

本作は貴重なライブ音源も豊富で、近年リリースされた『LIVE AT THE RAINBOW '74』(2014年)や『A NIGHT AT THE ODEON – HAMMERSMITH 1975』(2015年)からの音源に加え、『LIVE IN RIO』(1985年)のビデオ作品(当時VHSやレーザーディスクで発売。現在まで未DVD/Blu-ray化)から「Love Of My Life」(観客の盛り上がりが異常!)や、同じく1985年の歴史的イベント『LIVE AID』から5音源(フレディ・マーキュリーの煽り含む)まで楽しむことができる、本当にファンにとって嬉しい内容。現時点で映画『ボヘミアン・ラプソディ』は未見ですが、確か『LIVE AID』がクライマックスとして描かれているという話なので、これらの音源が初CD化され終盤に収められているというのも納得な話です。

筆者同様、ファンならすでに何度もリピートしていることでしょうが、QUEENにそこまで明るくなくこの映画で触れようとしているビギナーは映画を観てからこのアルバムを聴くもよし。逆に先に本作で予習してから映画を観て、そのあとにほかのスタジオアルバムやベストアルバムに手を出してみるのもいいかもしれません。入り口としてはちょっと変則的な内容ではありますが、あくまで映画とセットでという注釈付きでの入門盤です。



▼QUEEN『BOHEMIAN RHAPSODY (THE ORIGINAL SOUNDTRACK)』
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投稿: 2018 11 03 12:00 午前 [2018年の作品, Queen] | 固定リンク