DIMMU BORGIR『EONIAN』(2018)
今年結成25周年を迎えたノルウェーのシンフォニックブラックメタルバンド、DIMMU BORGIRの通算10作目となるスタジオアルバム(オリジナルアルバムとしては9作目)。前作『ABRAHADABRA』(2010年)から実に8年ぶりに発表された、待望の新作となります。本国では2位という高記録を獲得したものの、アメリカでは前作の42位には及ばぬ142位止まり。しかし、イギリスでは過去最高の73位まで上昇するほか、ドイツとフィンランドで最高4位、スイスで最高5位、オーストリアでも最高10位を記録しています。
ここ数作、オーケストラとのコラボレーションが通例となっていた彼らですが、本作でもそのスケールの大きな世界観は引き継がれています。ただし、今作では生演奏を起用せずサンプリングで済ませているとのこと。一聴した限りでは、実際のオーケストラとの違いはそこまで顕著ではないし、違和感もないので問題なし(音のタッチによほど時間をかけたのではないかと推測されます)。
しかも、このアルバムでは前作や2011年のライブにも参加した合唱隊・SCHOLA CANTORUM CHOIRも全面参加。ブラックメタルならではのブルータルさと、合唱隊のハーモニー&オーケストラサウンドが融合した、どこまでも突き抜けるような壮大さが最初から最後まで展開されています(どの曲ももちろんですが、特にラストのインスト「Rite Of Passage」の美しさといったら!)。
そもそも、このアルバムのテーマ自体が“時間の幻聴性”という壮大さを伴うもの。それを2012年頃から5年以上かけて完成までこぎつけたわけですから……どれだけ気の遠くなる作業だったか、想像を絶するものがあります。
内容的には、前作あたりまでに存在したクリーンボーカル……シャグラット(Vo, Key)以外のゲストが歌うパートがなくなり、すべて彼のデス声で通されています。そこが単調さにつながる危険もありますが、そのぶんを合唱隊がうまくフォローしてくれます。
また、バンドのプレイもブルータルさを少々残しているものの過去の作品ほどではなく(せいぜい9曲目「Alpha Aeon Omega」程度かな)、ミドルテンポを中心とした、あくまでオーケストラと合唱隊ありきのアレンジが施されている気がします。各曲5〜6分程度というのも、こういった編成のわりには練りこまれ、しっかりまとめられている印象が強いです。ホント、気の遠くなる作業だったんでしょうね……。
以前からのファンには酷評されているようですが、自分のようにそこまで熱心なリスナーではない人間には比較的好印象な1枚。というか、好きです。もはやこれをブラックメタルと呼べるのかどうか問題もありますが、これもヘヴィメタル/エクストリームミュージックの進化形のひとつ。素直に楽しみたいと思います。
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