PIG DESTROYER『HEAD CAGE』(2018)
アメリカはヴァージニア州アレクサンドリア出身の5人組グラインドコアバンド、PIG DESTROYERが2018年9月に発表した6thアルバム。実は20年以上のキャリアを持つ重鎮で、本作は前作『BOOK BURNER』(2012年)から実に6年ぶりの新作となります。
このバンド、もともとはベーシスト不在でしたが、前作リリース後(2013年)に初めてベーシストが参加。本作はベーシスト(ジョン・ジャーヴィス)を含む5人体制での初レコーディング作品に当たります。
ベーシストが加わるというバンドにとって大きな変革が訪れたためか、本作にはサウンド自体にも大きな変化が表れています。例えば、これまでの作品はグラインドコアバンドらしく、1曲が1分前後と非常にコンパクトなショートチューンばかりで、アルバム自体も20曲前後で30分程度のものが多かったように思います(アルバムによっては10分近くある実験的なナンバーも1曲程度含まれていましたが)。
ところが、本作は全12曲で31分。5曲が1分台とこれまでどおりですが、2分台後半から3分台後半の曲が半数近くを占め、それらの楽曲はスピードに頼らないグルーヴィーなものだったりします。ボーカルはいつもどおりグロウルやらデスボイスやら中心で、ミドルテンポになろうがメロウになることは一切ないのですが、アレンジのバリエーションが増えたことでアルバムに緩急が付き、これまでの「なんだかわからないうちに終わっていた」という傾向が薄まりつつあります。これが良いことなのか悪いことなのかは、彼らに何を求めるかでまったく異なりますが、個人的には「なんだか面白いことになったな。これ、聴きやすいぞ」と思いました。
まあそもそも、このバンドに聴きやすさを求める輩がどれだけいるのか?って話ですけどね。
聴きやすさの話題が続きますが、本作はミックスのバランスも非常に聴きやすくなっている気がします。ベースの低音域が加わったこともあってか、かなり聴きやすい。ミキシングを担当したウィル・パットニー(BODY COUNT、MISS MAY I、SHADOWS FALLなど)の手腕によるものも大きいんでしょうか。
ショートチューンのカッコよさは文句のつけようがありませんが、メタル耳で聴くと終盤の「The Last Song」あたりはツボじゃないかな。7分におよぶラストナンバー「House Of Snakes」もドゥーミーかつメタリックで、爆音で聴いたらなお気持ちよし。普段そこまで積極的にグラインドバンドを聴くわけではないですが、この作品は非常に楽しめました。
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